なぜストレスを受けると痒くなるの?

なぜストレスを受けると痒くなるの?

こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。

アトピーは、ストレスを受けると痒くなります。
また、ストレスが強ければ強いほど、痒みも強くなります。

それでは、なぜ、ストレスを受けると痒くなるのでしょうか?

このページでは「ストレスを受けると痒くなる理由」についてお伝えします。

ストレスとアトピーについて

まず、ストレスとは、どのようなものなのでしょうか?

厚生労働省のホームページから引用します。(一部抜粋)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-031.html

外部からの刺激などによって体の内部に生じる反応のこと。その原因となる外的刺激(ストレッサー)とそれに対する私たちの心身の反応(ストレス反応)とを合わせてストレスと呼ばれることもある。

ストレスの原因となる外的刺激をストレッサーといい、これを含めてストレスと表現されることもあります。ストレッサーには、暑さ寒さや有害物質など物理的・化学的なもの、病気や飢え・睡眠不足などの生理的なもの、職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものなどがあります。人間では特に心理的・社会的ストレスが大きいとされています。

ストレスが生じると、体内ではそれを解消しようとする防御反応が働きます。対処法はそれぞれ異なりますが、同じストレッサーでも受け止める人によって「よいストレス」になるか「悪いストレス」になるかが大きく異なります。ストレッサーを制御できた場合は適応という様態をとりますが、うまく制御ができなかった場合には、不適応を起こして身体にさまざまな影響が現れます。

このストレスの解説文から、ストレスによりアトピーが悪化する理由が分かります。
まとめると、次のようになります。

暑さ寒さや有害物質など物理的・化学的なもの、病気や飢え・睡眠不足などの生理的なもの、職場や家庭における不安・緊張・恐怖・怒りなど心理的・社会的なものに対して、身体が防御反応を示したものがストレス。
そして、うまく制御できなかった時に、身体が不適応を起こし、表れた症状の1つがアトピー。

ストレス

ストレスでアトピーが悪化する理由

上記でお伝えした通り、ストレスを身体がうまく制御できない場合、アトピーが悪化します。
それでは、なぜ、ストレスを受けるとアトピーが悪化するのでしょうか?

その理由は、ストレスに対処するために、炎症や痒みを抑えていた副腎皮質ホルモンの「コルチゾール」が使われるためです。

アトピーの症状が悪化している皮膚は、常に痒みがある訳ではありません。
その理由の1つは「コルチゾール」が、炎症や痒みを抑えているからです。

しかし、ストレスを受けると「コルチゾール」がストレスに対処するために使われてしまい、炎症や痒みを抑えることができなくなってしまうのです。
その結果、大きなストレスであればあるほど、炎症や痒みが大きくなっていくのです。

これが、ストレスでアトピーの症状が悪化する理由です。
それでは、なぜ、ストレスを受けると、コルチゾールが使われるのでしょうか?

これは、ストレスを受けた時に、体内で起きる反応について考えると分かります。

・暑さというストレスに対処しようとするため、汗をかいたりして体温を下げようとする。
・寒さというストレスに対処するため、皮膚を収縮して熱を逃さないようにしたり、ブルブルと身体を動かして、体温を上げようとする。
・有害物質を体内から排泄するため、肝臓や腎臓を全力で働かせたり、下痢を起こしたりする。
・風邪の場合は、体温を上げたり、免疫力をアップしたりして、ウィルスと戦おうとする。
・飢えの場合は、省エネモードになり、エネルギーを節約しようとする。
・睡眠不足の場合は、貯蓄されているエネルギーを使おうとする。
・不安、緊張、恐怖、怒りが沸いてきた場合、戦ったり、逃げたり、隠れたりするための準備をする。

この中で「飢え」だけはアトピーの症状は悪化しません。
それ以外のストレスはすべてアトピーが悪化します。

つまり、ストレスを受けると、戦ったり、逃げたり、隠れたりしないといけません。
そのためには、体温を上げたり、心拍数を早くしたり、免疫力をアップする必要があります。

そのためには、エネルギーである糖質を体中の細胞に届けないといけません。

例えば、戦うためには、大きなエネルギーが必要です。
エネルギー不足の状態で戦っても、敵に負けてしまいます。

負けるということは、場合によっては死を意味します。

そのため、エネルギーである「糖分」を内臓などから血液中に放出して血糖値を上げ、いつでも戦うことができる準備を始めます。
そして、血糖値を上げるために使われるのが「コルチゾール」という副腎皮質ホルモンなのです。

ストレスに対処することは、一刻を争う緊急事態です。
炎症を抑えたり、痒みを抑えることは、ストレスの対処よりも優先順位が低くなります。

そのため、炎症を抑えていたコルチゾールも、血糖値を上げるために動員されてしまいます。
その結果、炎症を抑えることができなくなり、炎症や痒みが強くなり、アトピーの症状が悪化するのです。

ただし、いつまでも痒みが続くわけではありません。
その理由は、ストレスを受けると、コルチゾール不足を補うために、コルチゾールが分泌されるからです。

ストレスがなくなり、リラックスできる状態に戻ると、コルチゾール不足が解消され、徐々に痒みや炎症が治まっていきます。

しかし、大きなストレスを受けると、コルチゾールが大量に消費されるため、なかなかコルチゾール不足が解消されません。
そのため、大きなストレスを受ければ受けるほど、痒みや炎症が強くなり、なかなか治りません。

この場合は、ただ単に自然に治るのを待っていても、なかなか治らないため、積極的にストレスを解消する必要があります。

ストレスが貯まるのは、血糖値が上がり、エネルギーが体中にあふれているのに、そのエネルギーを使わないからです。
そのため、少し強度の高い運動をする事で、貯まったストレスを少しずつ解消することができるのです。

ストレスによる痒みを防ぎたい方は、下記の記事を参考にしてみてくださいね。
ストレスによるアトピーの痒みを防ぐ方法

アトピーが完治すればストレスで痒くならない理由

医学的には、ストレスで痒くなるのは、ストレスの対処に「抗炎症作用」のある「コルチゾール」が使われるためです。

「抗炎症作用」は炎症がある皮膚にだけ作用します。
炎症がない綺麗な皮膚に、コルチゾールが反応することはありません。

つまり、ストレスで痒くなるのは「皮膚に炎症がある時だけ」になります。
皮膚に炎症がなければ、ストレスを受けても、アトピーが悪化する事はありません。

ストレスがアトピーの原因であると書いてある書籍はたくさんありますが、医学的には「コルチゾール」と「炎症のない綺麗な皮膚」には何の因果関係もありません。
もし、ストレスがアトピーの原因であるならば、ストレスの対処にコルチゾールが使われる事で、綺麗な皮膚に次々と炎症が発生する事になりますが、そのような事はないのです。

まとめると、体内のコルチゾールが減っても、炎症が起きる事はありません。
つまり、医学的に考えると、ストレスはアトピーの原因ではありません。

そのため、アトピーが完治すれば、ストレスを受けても痒くなる事はないのです。
アトピーが再発する場合、その理由はストレス以外に原因があるのです。

私は30代から40代にかけて、アトピーが完治した状態が10年以上ありましたが、その10年間に大きなストレスを何度受けても、アトピーが再発する事はありませんでした。

私の体験から考えても、ストレスが原因ではない事は確かです。

もちろん、ストレスを長期的に受けることで、内臓が大きく機能低下する場合もあります。

私も長期的にストレスを抱え込んだ時もありましたが、それでも、アトピーが再発することはありませんでした。
1年や2年ではなく、10年以上もアトピーが再発していないため、長期的なストレスで内臓が機能低下したとしても、それだけではアトピーが再発する事はなかったのです。

アトピーの原因が「ストレス」ではない事は、アトピー体質である私の体験から考えても間違いないと思います。

アトピーとストレスに関しては、下記の記事でも詳しく書いていますので、是非、読んでみてくださいね。
ストレスがアトピーの原因なの?

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アトピーとストレス

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