アトピーの「痒みを止める薬」について

アトピーの「痒みを止める薬」について

こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。

2023年1月10日に「アトピー性皮膚炎のかゆみ原因を解明し薬を発見」というニュースが発表されました。
それでは、この薬を使えば、アトピーは改善するのでしょうか?

このページでは「アトピー性皮膚炎のかゆみ原因を解明し薬を発見」というニュースについての私の見解をお伝えしていきます。

ニュースの内容について

2023年1月10日に、佐賀大学の医学部の教授が「アトピー性皮膚炎のかゆみ」の原因の1つを突き止め、改善する薬を発見したというニュースが発表されました。
「佐賀大学 アトピー かゆみ」などで検索すると、そのニュースを読むことができますので、興味がある方は、是非、検索して読んでみて下さいね。

そのニュースによると「アトピー性皮膚炎の強いかゆみの原因の1つが、タンパク質のペリオスチン」である事を突き止めたそうです。
また、「CP4715」という薬をマウスに投与したところ、かゆみが改善することが分かり、アトピー性皮膚炎のかゆみに対する治療薬として開発をすすめるそうです。

このニュースは、アトピー性皮膚炎のかゆみで悩まされている方は「希望の光」ではないでしょうか?
痒みを抑えることができれば、身体がかなり楽になりますからね。

このニュースをさらっと読むと、ステロイド剤を塗った時のように、アトピーのかゆみが消える事を期待してしまうと思います。

しかし、しっかりと読むと分かりますが、この薬は完璧にかゆみを消すことができるわけではなく、「痒みを軽減できる可能性がある」という発表である事が分かります。

ニュースのタイトルでは「かゆみ原因を解明」と書いてありますが、本文では「かゆみの原因の1つ」と書いてあります。
つまり、いくつかある原因の1つが解明されただけであり、それ以外にも痒みの原因はたくさんあるという事です。

また、痒みを「改善」する事が分かったと書いてあります。
痒みを「消す」のではなく「改善」ですので、痒みがましになるという意味です。

そのため、この薬を塗っても、痒みが全くなくなるのではないという事が分かります。
ニュースの中で佐賀大学の出原教授も「原因は多様なので万能ではない」と発言しているため、抗ヒスタミン薬と同じように、この薬を塗っても、痒みを止める効果が全くでない方もいるかもしれません。

また、「マウス」での検証になりますので、人間に使用した場合の効果は、今のところは分かりません。

まとめると、ニュースのタイトルを読むとインパクトがありますが、タイトルで期待できるほど、痒みを止める効果がない可能性があります。

マウス

痒みを止めれば、アトピーは治るの?

アトピー性皮膚炎は「痒み」が原因で悪化すると考えている方がほとんどだと思います。
そのため「痒み」が消えれば、アトピーも一緒に治ると考えてしまってもおかしくありません。

実際に「アトピーは掻き癖が原因」と書籍で発表されているお医者様もいます。
「掻き癖」がアトピーの原因なの?

しかし、アトピーは掻くことが原因で悪化する訳ではありません。
皮膚の症状が悪化している場所が痒くなるのです。

掻くから悪化したのではなく、その逆なのです。
痒い場所を掻くと、すぐに出血する事から分かるように、痒くなる時にはすでに皮膚の状態は悪化しているのです。

また、痒みがないのに、アトピーの症状がでる場所もあります。
それは「甘皮」です。

アトピーの症状が指にでている方は、甘皮がなくなっている方も多いです。
アトピーと甘皮について

甘皮がなくなるのは、アトピーの症状の1つですが、掻くことによって甘皮がなくなった訳ではありません。
痒くなっていないのに、どんどんと甘皮がなくなっていくのです。

その理由は、甘皮には痒みを伝える神経がないからです。
神経がない場所は、痒くならずに、皮膚が悪化して、アトピーの症状がでるのです。

つまり、アトピーの原因がある限り、掻かなくても、アトピーの症状はどんどんと悪化していきます。
そして、皮膚が薄くて脆くなっていくのです。

また、皮膚を一切掻かなくても、綺麗な皮膚が再生する訳ではありません。
例えば、靴を履いていると、靴で覆われている足の部分は痒くなっても掻くことができません。

もし、皮膚を掻かなければ、アトピーが治っていくのであれば、一日中、足を掻かなかった場合、靴を脱いだ時には、綺麗な皮膚が再生しているはずです。
しかし、足を一切掻かなくても、アトピーの症状がでている足の皮膚が綺麗に再生することはありません。

つまり、アトピーの症状が悪化すると、皮膚を一切掻かなくても皮膚の状態は悪化していくのです。
皮膚を一切掻かなかった場合でも、綺麗な皮膚は再生しないのです。

そのため、「痒みをピタリと止める薬」が完成し、その薬を使用したとしても、皮膚が綺麗になり、アトピーが治る訳ではありません。
アトピーの原因を取り除かない限りは、痒みを完璧に止めても、皮膚はどんどんと悪化していくのです。

まとめ

「アトピー性皮膚炎のかゆみ原因を解明し薬を発見」というニュースのタイトルを読むと「この薬でアトピーのかゆみから解放されるかも!」と期待された方は多いと思います。

しかし、実際の所は、佐賀大学の出原教授が発言している通り「万能」ではありません。
あくまでも「痒みを止める可能性がある」という発表に過ぎません。

また、痒みを止めることができたとしても、アトピーが治る訳ではないため、皮膚が綺麗になる訳でもありません。
これは、他の「かゆみ止め」の薬を使った場合でも同じです。

とは言え、痒みは「一時的」であったとしても、痒みを止めたい時は、日常生活で多々あります。
そのため、痒みを一時的に止める薬があれば、対症療法であったとしても、本当に助かりますよね。

ちなみに、私は痒みを一時的に止める方法をいくつか知っていますし、痒みを一時的に止めるグッズも持っていますし、実際に使っています。

痒みを止めると、痒みで仕事ができない時でも、仕事ができるようになります。
寝ることができない時も、寝ることができるようになります。

そのため、対症療法であったとしても、痒みを止める薬ができれば、本当にたくさんの方が助かると思いますので、是非、薬の開発に成功して欲しいと思っています。

また、アトピー性皮膚炎の原因療法をする場合でも、完治するまでは、痒みが続きます。
その時に「かゆみ止め」の薬があれば、痒みに悩まされることなく、原因療法をすることができるようになるかもしれません。

ただ、薬なので注意点があります。
それは、使い続けると、効果がなくなっていく可能性が高いことです。

その理由は、痒み物質がでているにも関わらず、痒みを抑えていると、もっと大量の痒み物質を身体は出すようになるからです。
最初は効果があったのに、使い続けると効果がなくなるのはそのためです。

これは、アトピーの原因が取り除かれるまで続きます。
そのため、安易に使用すると、本当に痒みで困っている時に、痒みを止めることができなくなります。

そのため、今回のニュースで発表された「かゆみ止め」の薬が市販されたとしても、継続使用に注意が必要な事は他の薬と変わらないのです。

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アトピーのかゆみステロイド剤・かゆみ止め薬

コメント

  1. 室伏 繁祗 より:

    こんにちは。

    大変有意義なサイトありがとうございます。

    さて、当方も(69歳男性)も長い事もう数十年アトピー性皮膚炎に悩まされてきました。

    筆者の文章を読んでみますと、結論として『アトピーの根本原因』を発見され、対処療法を実

    践されて、完治されたであろうと推察されます。

    しかしながら肝心の『根本原因と治療法』が詳しく述べられておりません。

    勿論極めて重要な情報を簡単に開示できるはずも無い訳ですが。

    しかしながら是非とも『根本原因と治療法』を開示して頂けますようお願い申し上げます。

    • 齋藤 奈穂樹 より:

      室伏様、投稿ありがとうございました。
      アトピーの根本的な原因ですが、数年前に解明しています。
      原因が分かれば、原因療法をすることができますので、基本的には100%治すことは可能です。
      アトピーの根本的な原因などは、本にまとめる予定です。
      昨年中に出版予定でしたが、研究不足の点が見つかったため、出版が遅れています。
      今年中にアマゾンで販売しますので、もう少し待っていてくださいね。

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