こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
下記の記事でお伝えした通り、アトピーの症状が悪化すると「免疫力」が低下します。
アトピーになると「免疫過剰」になる根本的な原因について
それではなぜ、症状が悪化すると「免疫力」が低下するのでしょうか?
このページでは「症状が悪化するにつれて「免疫力」が低下する理由」についてお伝えします。
アトピーと体温の関係について
アトピーは「免疫過剰」のため、無害な皮膚の細胞まで攻撃している事が原因とされています。
「免疫過剰」という言葉を聞くと、免疫力が「強すぎる」というイメージを持ってしまいますよね。
私もアトピーの研究がある程度進むまでは、アトピーになると、免疫力が強くなると思っていました。
しかし、研究を続けていると、アトピーの症状が悪化するにつれて、免疫力が弱くなるという事が分かったのです。
とは言え、アトピーの症状が悪化すると「免疫力が低くなる」という事を証明することは困難です。
例えば、血液検査をする場合でも、アトピーになる前の免疫の状態は分かりません。
「エビデンス(証拠)」を示すためには、アトピーになる前とアトピーになった後の両方のデータが必要になるからです。
しかし、わざわざ免疫力を血液検査などで調べなくても、簡単に証明する方法がありました。
それは、アトピーの症状が悪化するにつれて、体温が低下する事です。
アトピーの症状がでている方は低体温になり、常に身体が冷えている方が多いです。
特に、冬に手足が冷える事が多くなります。
そして、アトピーの症状が悪化すると、夏でも手足が冷えたままになります。
しもやけやアカギレは、ほとんどの場合は、冬に症状が現れます。
健康な方は、春になると完治しますが、アトピーが悪化すると、夏でもしもやけやアカギレが治らなくなるのです。
下記は私の症例写真ですが、夏に撮影した写真も含まれています。
もちろん、体温が低下するのは、手足だけではありません。
お腹が冷えることも多くなります。
さらに悪化すると、夏でも寒さで震えることもあります。
逆に、アトピーの症状が改善していくにつれて、低下していた体温が元通りになっていきます。
夏でも治らなかったしもやけやアカギレが消えていきます。
お腹の冷えも消えていき、冷たい食べ物が食べられるようになります。
アトピーの症状が改善していくにつれて、体温は高くなっていくのです。
アトピーの症状が悪化すると体温が低下する理由
アトピーの症状が悪化するにつれて、体温が下がっていきます。
それはなぜでしょうか?
医学的には「自律神経失調症」のため、体温調節ができなくなったためとされています。
自律神経が体温を調節しているため、自律神経がしっかりと働いていないため、体温調節ができなくなったと考えられているのです。
しかし、体温調節ができなくなった場合、不規則に体温が上がったり下がったりするはずです。
また、体温とアトピーの症状も連動しないはずです。
しかし、実際はそのような事がありません。
体温はアトピーの症状と連動しています。
アトピーの症状が悪化すれば、体温が下がり、アトピーの症状が改善すれば、体温は上がります。
この事から、自律神経は体温調節のアルゴリズムに沿って、しっかりと体温調節をしていると考えられます。
ちなみに、夏には不規則に体温が上がったり下がったりする場合もありますが、それは、体温調節の問題ではありません。
体温が上がる場合があるのは、汗などで体内にこもった熱を体外に逃がすことができない場合があるからです。
アトピー性皮膚炎の症状が悪化するにつれて、体温が下がる理由は、自律神経の乱れではありません。
自律神経が体温調節のアルゴリズムに沿って、故意に体温を低く設定しているからです。
それでは、なぜ、自律神経は体温を低く設定するのでしょうか?
その理由は、体温を低く設定すると、体内のエネルギーを節約できるからです。
例えば、冬に室内の温度をエアコンで維持するためには、電気をたくさん消費します。
これと同じで、人間も体温を36.5度に維持するためには、体内のエネルギーをたくさん消費するのです。
しかし、体内のエネルギー残量が少なくなると、体温を維持するためのエネルギーが足りなくなります。
その結果、身体はエネルギーを節約するために、省エネモードに切り替わり、体温をいつもより低く設定するようになるのです。
冬にエアコンで設定温度を下げると、電気代が節約できるのと同じように、体温を下げると、体内のエネルギー消費を減らすことができるのです。
アトピー性皮膚炎は、丈夫な皮膚を作るためのエネルギーが不足している事が根本的な原因です。
そして、アトピーの症状が悪化するということは、体内のエネルギー残量が低下しているという事です。
アトピーの症状と体温の低下が連動している理由は、両方とも「エネルギー不足」が根本的な原因だからです。
アトピーの症状が悪化すると免疫力が低下する理由
アトピーの症状が悪化すると、体温が低下します。
それでは、体温と免疫力にはどのような関係があるのでしょうか?
これは「免疫力 体温」で検索をすると、すぐに答えがでてきます。
36.5度から体温が1度あがると、免疫力は最大5倍も上がると言われています。
逆に、体温が1度下がると、免疫力は3割下がると言われています。
雨でずぶ濡れになった時に、そのまま放置すると、高確率で風邪をひきます。
その理由は、雨に濡れたことで体温が下がったからです。
つまり、体温が下がると免疫力も下がるのです。
逆に、風邪をひいてしまうと高熱がでます。
その理由は、体温を上げて免疫力を高めることで、風邪を治すためです。
つまり、体温が上がると免疫力も上がります。
この事から分かるように、体温と免疫力は密接な関係があるのです。
アトピーの症状が悪化すると、健康な時よりも、低体温になります。
そして、低体温になると、免疫力は低下します。
つまり、アトピーの症状が悪化すればするほど、免疫力は低下するのです。
まとめ
アトピーは「免疫過剰」が原因で発症すると医学では考えられています。
そのため、アトピーになると免疫力が強くなると考えてしまいがちです。
しかし、実際にはアトピーになると体温が低下しますので、免疫力は下がっているのです。
ただし、免疫力が低下したとしても、病気になりやすくなる訳ではありません。
私はアトピーの症状が強くでていた小学生や中学生の時でも、一日も学校を休んでいませんし、大きな病気にもかかりませんでした。
その理由は、免疫細胞が過剰に反応することによって、大きな病気にならないように身体を守ってくれていたからです。
つまり、免疫力が下がると「予防」に力を入れるようになるため、免疫過剰になるのです。
そのため、「免疫過剰」の状態は、悪いことではありません。
健康な方が突然大きな病気になるのは、症状がある程度悪化しなければ、免疫細胞は本気になって働かない場合があるからです。
逆に、免疫細胞が過剰に反応している場合は、少しでも症状が悪化すると、免疫細胞が本気になって働きますので、大きな病気になりにくくなるのです。
ただし、アトピーの症状がある方でも、免疫力がアップすれば、免疫過剰の状態は解消されますので、一生、免疫過剰の状態が続くわけではありません。
また、自律神経は失調しているのではなく、正常に働いていますので、その点もご安心下さいね。
コメント