アトピーになると寿命が短くなるの?

アトピーになると寿命が短くなるの?

こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。

皮膚疾患である「乾癬」になると死亡リスクが高まることが知られています。
それでは、アトピー性皮膚炎になると、寿命は短くなるのでしょうか?

このページでは「アトピーになると寿命が短くなるの?」というご質問にお答えしていきます。

デンマークの調査結果について

アトピー性皮膚炎と寿命の関係についてのデータは、デンマークでの調査がありました。

アトピー性皮膚炎での入院患者は健康な人より短命?
https://www.carenet.com/news/general/carenet/43370

このホームページより引用します。

・最長10年の追跡期間で、入院患者はアトピー性皮膚炎576例、乾癬951例であった。
・研究期間中の死亡例は、それぞれ65例および286例であった。
・アトピー性皮膚炎患者の死亡リスクは、乾癬患者に比べ低かったが(HR:0.75、95%信頼区間[CI]:0.57~1.00)、健康対照者(5,760例)と比較すると高かった(HR:1.71、95%CI:1.20~2.44)。
・アトピー性皮膚炎で入院した患者は、健康対照者よりも平均8.3歳短命であった。

補足説明ですが、この調査は「入院」をした患者のデータになります。
入院をしているということは、かなり症状が悪化している患者ということです。
また、ステロイド剤の強度も高く、使用量も多いと考えられます。

ステロイド剤と寿命の関係

デンマークでの調査は、入院した患者のデータになりますので、アトピーの治療にステロイド剤を使用すると、健康な方よりも、平均8.3年寿命が短くなるという結果がでています。

それでは、人間はどのような時に寿命を迎えるのでしょうか?

2018年のデータによると、日本の死因の一位は悪性新生物(癌)で、およそ3.6人に1人がガンで亡くなっています。
ちなみに、2位は心疾患、3位が老衰になります。

それでは、なぜ癌になるのでしょうか?

癌細胞は、人間の免疫力が高い時は、増殖しません。
しかし、免疫力が低くなると、増殖していくのです。

つまり、免疫力が低くなると、癌になりやすくなるのです。

ステロイド剤は「免疫抑制剤」ですので、人間の免疫力を抑制します。
もちろん、短期間使っただけでは、癌になることはありません。

しかし、何年もステロイド剤を使用していると、免疫力がずっと抑制された状態になります。
免疫力が低い状態が長期間続きますので、癌細胞は増殖していき、癌になりやすくなるのです。

もちろん、免疫力が落ちて病気になるのは癌だけではありません。
風邪もひきやすくなりますし、インフルエンザや新型コロナウィルスにも感染しやすくなります。

若いときは、感染しても、体力がありますので、亡くなるリスクは少ないです。
しかし、高齢になるにつれて、同じように感染しても、命取りになる可能性が高くなります。

つまり、ステロイド剤を使用していると、免疫力が低下するため、寿命が短くなる可能性が高くなるのです。

乾癬とアトピーの違いについて

同じ皮膚疾患でも、乾癬とアトピーは根本的に違います。

乾癬は皮膚の細胞が増殖するスピードが健康な人の10倍以上の速度で増殖していきます。
皮膚の細胞が10倍以上のスピードで作られるということは、健康な人と比較すると、皮膚に使われているエネルギーが10倍以上であるということです。

もちろん、体内にエネルギーが余っている場合は問題ありませんが、通常は体内のエネルギーには限りがあります。
そして、乾癬は限られたエネルギーを皮膚に大量に使っているのです。

そのため、本来なら、生命維持に必要なエネルギーさえも、皮膚に使われているため、寿命が短くなります。

しかし、アトピーの場合は、全く逆になります。
皮膚に使われているエネルギーが少ないため、皮膚が薄くなり、皮膚の密度も低くなっています。

そのため、生命維持に必要なエネルギーまでも、皮膚に使われてしまう事がありません。
しかし、アトピーの場合は、低体温の方が多い事から分かる通り、体温を維持することができないほど、体内のエネルギー自体が少ないという問題点があります。

ただ、スマートフォンのバッテリーが少なくなると省エネモードになるように、アトピーの症状がある方も省エネモードになっていますので、エネルギーが少なくても、長生きができる場合が多いのです。
しかし、無理をすると、生命維持に必要なエネルギーまでも使ってしまうため、早死にしてしまう可能性が高くなります。

バッテリー残量

 

まとめ

免疫抑制剤であるステロイド剤を長期間使用すると、免疫力が低くなりますので、感染症などの病気になりやすくなるため、寿命が短くなる可能性が高くなります。
しかし、ステロイド剤を使用していない場合のデータはありません。

それでは、ステロイド剤を使用していない場合は、寿命は短くなるのでしょうか?

私はステロイド剤を使用しなかった場合は、アトピーになっても、寿命は短くなることはないと考えています。
その理由は、アトピーの方は省エネモードになっているため、限られた体内エネルギーを無駄使いしないからです。

スマートフォンで省エネモードにすれば、バッテリーが長持ちします。
これと同じで、アトピーの方は、体内エネルギーが少なくても、長生きできる可能性があるのです。

そして、アトピーの原因療法を行って、体内エネルギーを増やせば、日本人の死因の一位である癌になるリスクも激減しますので、健康な人以上に長生きできる可能性が高くなります。

また、「一病息災」という四字熟語をご存じでしょうか?
一つぐらい持病があったほうが、かえって健康に気をつけて、長生きできるという意味です。

この四字熟語の通り、アトピーになると、まずは食事に気をつけるようになります。
特に、甘い物は痒くなるため、控える方が多くなります。

甘い物をたくさん食べると、免疫力が低下しますし、糖尿病をはじめ、いろいろな病気にかかりやすくなります。
甘い物をたくさん食べる事は寿命を短くすることに繋がるのです。

現在の食生活で一番寿命を短くする事は「甘いもの」の食べ過ぎですので、その点においては、アトピーの症状がある方は、食生活が原因で短命になる可能性は少なくなります。

また、アトピーになると、食事だけではなく、運動や睡眠など、生活全般において健康な生活を心がけるようになります。

ステロイド剤を長期間使うことで、免疫力を低下させない限り、健康な人よりも、アトピーの方の方が長生きできる可能性も高いのです。

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コメント

  1. fuku より:

    各記事とも大変興味深く読ませていただきました。私もこれまで様々なことを試しましたが、一時的によくなることもある一方で、なかなか改善しない状況です。
    過去記事のコメントで書籍化のことに触れておられましたが、出版はすでにされているでしょうか。
    根本原因について是非知りたく購入したいと思います。

    • 齋藤 奈穂樹 より:

      fukuさん、コメントありがとうございました。
      アトピーを根本的に治すためには、原因療法しかありませんが、医学では原因が分かっていないため、病院では根本的に治すのは難しいですよね。
      アトピーの根本的な原因について詳しく書いた書籍は今年中に出版したいと思っています。
      本当は去年出版するつもりでしたが、仕事をしないといけないため、なかなか原稿が進みません。
      出版は半年以上も先になってしまいそうですので、それまでにカウンセリングのお仕事をスタートしようと思っています。
      少しずつ、アトピーの方にお役に立てるお仕事を増やしていこうと思っていますので、楽しみにしていて下さいね。
      ブログの更新は不定期になっていますが、これからも更新を続けますので、よろしくお願い致します。

  2. fuku より:

    返信ありがとうございます。
    出版は時間がかかりそうで残念ですが、楽しみに待ちます。
    カウセリングも始められるとのことで是非お声がけください。

    • 齋藤 奈穂樹 より:

      ありがとうございます。
      カウンセリングの詳細は、このブログなどでお伝えしたいと思っています。
      仕事が落ち着いたらスタートしようと思っていますので、よろしくお願い致します。

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