こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
睡眠不足の日は、いつもより痒くなる場合が多いですよね。
それでは、なぜ、睡眠不足になると痒くなるのでしょうか?
このページでは「なぜ睡眠不足になると痒くなるの?」というご質問にお答えしていきます。
痒みの原因である「免疫力」について
なぜ、アトピーの症状が悪化すると痒くなるのでしょうか?
それは、免疫機能が悪化している異常な皮膚を取り除くために、痒みを発生させているのです。
そのため、「免疫力」が強くなればなるほど、アトピー性皮膚炎の痒みは強くなります。
それでは、睡眠不足になると「免疫力」はどうなるのでしょうか?
カリフォルニア大学サンフランシスコ校の検証によると、睡眠時間が6時間未満の場合、7時間以上だった人と比較して、風邪にかかる確率が4倍以上も高いというデータがでています。
私の実体験から考えても、睡眠不足になると、風邪を引くことが多いです。
つまり、睡眠不足は体の免疫力を落としてしまいます。
睡眠不足の日の痒みについて
睡眠不足の日の肌の状態は、前日から皮膚の状態があまり改善されていません。
また、起きてしばらくすると、痒みが始まりますが、その痒みはなかなか止まりません。
また、その痒みは、表面的な痒みではなく、皮膚の奥が痒くなる事が多いです。
軽く掻いただけでは、痒みが止まらないため、必然的に、力を入れて掻くようになります。
そして、皮膚を掻きむしった結果、皮膚はボロボロになり、出血して血まみれになります。
また、出血した部分の治りも遅く、出血した部分を覆うかさぶたもなかなか作られません。
いつまで経っても、じゅくじゅくしている部分が乾燥することはなく、浸出液もなかなか止まりません。
そして、皮膚が修復されないためか、一日中、痒みが断続的に続く場合がほとんどです。
そのため、前日よりも皮膚が悪化してしまう場合が多いのです。
睡眠不足になると痒くなる3つの理由
免疫力が強くなればなるほど、アトピー性皮膚炎の痒みは強くなります。
しかし、睡眠不足になると、免疫力が低下します。
免疫力が低下するということは、痒みが弱くなるはずです。
しかし、実際は逆で、睡眠不足になると、痒みは強くなるのです。
それでは、なぜ、睡眠不足になると痒くなるのでしょうか?
その理由は、大きく分けると3つあります。
コルチゾールについて
1つ目の理由は、副腎皮質ホルモンの1つである「コルチゾール」の分泌が減るからです。
「コルチゾール」には「免疫を抑制する作用」に加えて「抗炎症作用」があります。
「コルチゾール」の分泌が減ってしまうと、炎症を抑えることができなくなってしまいます。
これが、睡眠不足で痒くなる理由の1つ目です。
成長ホルモンについて
2つ目の理由は、「成長ホルモン」の分泌が減るからです。
「成長ホルモン」は、成長期だけではなく、大人になってからも分泌されています。
そして、成長ホルモンには、皮膚を作ったり、修復する作用があります。
そのため、睡眠不足になると、掻くことで悪化した皮膚の修復をすることが難しくなります。
また、皮膚は年齢や個人差がありますが、20代の場合、約28日で入れ替わると言われています。
分かりやすく説明すると、毎日「28分の1」の正常な皮膚を作らないと、良質な皮膚を維持することができずに悪化してしまうのです。
つまり、睡眠不足によって、成長ホルモンの分泌が減った結果、皮膚の修復や新しい皮膚を作ることができなくなり、皮膚の状態が悪化し、痒くなるのです。
免疫細胞について
3つ目の理由は、皮膚が悪化しているところには、免疫細胞のパトロールが強化されているからです。
皮膚が悪化しているところは、丈夫な皮膚と違い、薄くてもろくなっているため、皮膚の外部から最近やウィルスなどが侵入しやすくなります。
そのため、免疫細胞は、最前線に集中的に配置されますので、悪化している皮膚には免疫力が集中します。
その結果、全体的な免疫力が低下していても、悪化している皮膚の免疫力は低下しないため、痒みが強くなるのです。
睡眠がしっかりと取れた日の痒みについて
この記事でお伝えした通り、睡眠不足になると痒くなりますが、しっかりと睡眠が取れた日でも痒くなることがあります。
そのため、最後に、睡眠がしっかりと取れた時の痒みについて、ここでお伝えしたいと思います。
まず、皮膚の状態は、睡眠がしっかりと取れた日は、前日よりも良くなっている場合が多いです。
また、起床した時点で皮膚の状態が悪化している所でも、数時間経つと、皮膚の状態が改善していく事が多いです。
例えば、皮がなくなってしまった場所に、薄い皮ができたりしますので、ヒリヒリとした痛みがなくなったりするのです。
しかし、睡眠が十分に取れた日でも、痒みはあります。
私の場合は、午前中に痒くなることが多いです。
ただ、痒みの「種類」が睡眠不足の場合とは大きく違います。
睡眠がしっかり取れた日の痒みは、垢を取り除くような感じの表面的な痒みの場合が多いです。
皮膚の状態が良くない場所は、出血する事も多いですが、皮膚の表面を一通り掻き終えると、痒みが止まる場合がほとんどです。
痒みがでる回数も少なくなるため、一日中、痒みに悩まされる事はありません。
そして、出血した部分に関しても、血液がすぐに固まります。
皮膚の下で内出血している部分も、しばらくすると黒くなって固まります。
じゅくじゅくしている部分に関しても、しばらくすると乾燥していきます。
いつまでも浸出液が出続けることはなく、浸出液も止まる場合が多いです。
睡眠が十分取れた日は、痒くなって掻いたとしても、皮膚の回復力が大幅に高まっているのです。
そのため、掻く事で皮膚を傷つけたとしても、時間が経つにつれて皮膚の状態が回復していくため、痒みも弱くなっていくのです。
ちなみに、しっかりと眠れた日でも痒くなる理由は、下記の記事にまとめました。
興味がある方は、是非、読んでみてくださいね。
熟睡ができたにも関わらず痒くなる理由
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