こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーの症状がでている方は、乾燥肌の症状がでてくる場合が多いです。
「アトピーになってから皮膚が潤うようになった!」という体験談は今まで聞いたことがありません。
それでは、なぜ、アトピーの方は乾燥肌になるのでしょうか?
このページでは「アトピーの方が乾燥肌になる根本的な原因」についてお伝えしていきます。
乾燥肌は「水不足」が原因?
乾燥肌になるということは、皮膚の水分量が少ないという事です。
それでは、乾燥肌の原因は「水不足」なのでしょうか?
ちなみに、アトピー性皮膚炎は「水飲み健康法」で改善できると主張されているお医者様もいます。
上記の本の46ページにアトピー性皮膚炎の項目がありますが、100mlを日中は2時間おきに飲むことをお勧めされています。
体内の水分量がやや多めに保たれ、血管を柔らかくする効果があるそうです。
また、血流が良くなり、新陳代謝が活発になり、細胞が活性化されて、免疫機能が高まるそうです。
それでは、水を多めに飲むと、乾燥肌は改善できるのでしょうか?
これは、簡単に調べることができます。
もし、「水不足」が原因の場合は、たくさん水を飲むことで、乾燥肌が解消されるからです。
しかし、私が何度も検証をした結果ですが、水をたくさん飲んでも、トイレに行く回数が増えるだけで、乾燥肌の状態は変わる事がありませんでした。
水をたくさん飲んでも、その水は皮膚に使われる事なく、排泄されてしまうのです。
また、「乾燥肌 水分摂取」で検索してみても、脱水症状になるほどの水分不足ではない限り、水分摂取をすることで肌の状態が変わることがないと主張されている専門家の先生もいました。
私の検証結果から考えても、この専門家の先生の主張が正しいと思います。
つまり、極端な水分不足でない限り、水分をたくさん飲むことで、皮膚への水分供給が増えることはないのです。
乾燥肌は汗をかかない体質が原因?
乾燥肌の方でも、汗をかくと、汗によって皮膚が潤いますよね。
汗をかくと、汗の成分によって皮膚が潤います。
それでは、汗をかくことは乾燥肌対策になるのでしょうか?
こちらも、簡単に調べることができます。
水をたくさん飲んで、夏にエアコンを使わなければ、ほとんどの方は、汗をかくと思います。
それでは、夏にエアコンを使わなければ、乾燥肌は改善するでしょうか?
私の場合は、エアコンを使っていない日も多いため、必然的に部屋の中にいると、夏は汗をかくことが多くなります。
しかし、汗をたくさんかいていても、乾燥肌が改善する事はありませんでした。
夏でも冬でも乾燥肌の状態が変わらないのです。
もちろん、汗をたくさんかいている時は皮膚が潤いますが、その状態が続くことはありません。
しばらくして、汗が乾くと、また元の乾燥肌に戻ってしまうのです。
ちなみに、大正製薬のホームページによると、汗の中には天然保湿因子が含まれているため、肌を乾燥から守る作用があるとのこと。
確かにその通りだと思います。
高温のサウナに入っても、皮膚が乾燥してやけどをしないのは、汗を大量にかくからです。
乾燥肌の方でも、サウナに入れば、汗を大量にかくことによって、皮膚が潤います。
また、サウナの高温によって、痒みも抑えることができます。
しかし、サウナから出て時間が経つと、また元通りになりますし、痒みも戻ってきます。
汗をかくことは、一時的な「乾燥肌対策」になりますが、その効果が長時間続くことがありません。
また、汗をかくことで、乾燥肌が治るという事もありません。
もちろん、痒みが止まる事もありません。
逆に、汗をかくことで汗の成分が痒みの原因になることもあります。
乾燥肌は「血行不良」が原因?
皮膚が乾燥するということは、皮膚に水分がしっかりと届けられていないということです。
そして、皮膚に水分を届けているのは「血液」です。
そのため、血液中の水分がしっかりと皮膚に届けば、理論的には乾燥肌が治るはずです。
それでは、血行をよくすると、乾燥肌は治るのでしょうか?
血行をよくする方法としては、2つの方法があります。
有酸素運動
血行を良くする1つ目の方法は有酸素運動を続ける事です。
有酸素運動をすると、全身に血液を送る必要があるため、毛細血管が発達します。
また、心臓に負荷をかけることで心臓が強くなり、1回の鼓動で多くの血液を送ることができるようになります。
もちろん、1回や2回、有酸素運動をしただけで、血行が良くなることはありませんので、最低でも1ヶ月以上、続けることが大切です。
それでは、有酸素運動をすると、乾燥肌は治るのでしょうか?
私の場合、5年間以上、週に2~3回のペースで有酸素運動を続けています。
そのため、かなり血行が良くなり、運動をすると汗もたくさんかくようになりました。
しかし、乾燥肌の症状がなかった所にも、乾燥肌の症状がでてきた所があります。
つまり、有酸素運動を始めてから、乾燥肌になった場所があるのです。
この結果から、血行を良くしても、乾燥肌の改善に繋がらない事が分かったのです。
それでは、なぜ、運動をして血行を良くしているのに、乾燥肌になったのでしょうか?
その理由は、アトピーの症状が悪化した事が原因です。
運動をしていても、アトピーの症状は一進一退を繰り返していたのです。
下記の記事でお伝えした通り、運動不足はアトピーの原因ではありません。
アトピーは運動不足が原因?
理論的に考えると、運動をすると、血行が良くなり、血液中の水分が皮膚に供給されるため、乾燥肌は改善されるはずです。
しかし、運動不足がアトピーの原因ではないため、運動をしていても、アトピーが悪化するのです。
つまり、有酸素運動をしていても、アトピーの症状が悪化したり、乾燥肌の状態が悪化することもあるのです。
入浴
血行をよくするもう一つの方法は入浴をする事です。
ちなみに、私は温泉湯治を2年間行い、アトピーが8割改善しました。
温泉湯治をすると、血行が非常に良くなります。
ただ、温泉湯治をする事でアトピーが改善する理由は、下記の記事にも書きましたが「温泉の成分」がメインになります。
「温泉湯治」をするとアトピーが改善する本当の理由
その理由は、水道水で湯治を行っても、アトピーが改善する事がほとんどないからです。
もし、水道水で湯治を行うことでアトピーが改善する場合、自宅でもできますので、入浴でアトピーが治った体験談がインターネット上でたくさん見つかるはずです。
しかし、私が探した限りでは、1件も見つける事ができませんでした。
逆に、「アトピーにいい」と言われる温泉は、いくつも見つけることができます。
まとめると、運動をしても、入浴をしても、アトピーの症状の改善はあまり期待できません。
つまり、血行が良くなっても、乾燥肌が改善するとは限らないのです。
なぜ「乾燥肌」になるのか?
乾燥肌になる原因は、水分不足や血行不良、汗をかかない事ではありません。
それではなぜ、乾燥肌になるのでしょうか?
その理由は、アトピー性皮膚炎の症状の1つとして、乾燥肌の症状がでているからです。
健康な人が乾燥肌になったとしても「強い痒み」はありません。
しかし、アトピー性皮膚炎の症状がある方が乾燥肌になった場合は「強い痒み」を伴います。
つまり、健康な方とアトピー性皮膚炎の方では、乾燥肌になる原因が違うのです。
それでは、なぜ、アトピー性皮膚炎の方は「乾燥肌」の症状がでる場合が多いのでしょうか?
その理由は、身体は意図的に「皮膚への水分供給」を減らしているからです。
意図的に「皮膚への水分供給」を減らしているため、水分摂取を多くしても、汗をかいても、血行を良くしても、乾燥肌が改善しないのです。
それではなぜ、体内に水分がたくさんある場合でも、皮膚に水分供給を供給しないのでしょうか?
その理由は、皮膚表面まで水分供給をすると、エネルギーがたくさん必要になるからです。
例えば、パン工場でパンを作る場合、原材料を揃えただけではパンができません。
パンを焼くために、ガス代がかかりますし、ベルトコンベアーを動かすために、電気代も必要です。
もちろん、多くの作業員も必要になりますので、人件費も必要になります。
皮膚もパン工場と全く同じで、皮膚の原材料だけ揃えても、皮膚を作ることができないのです。
皮膚は常に新陳代謝をしていますので、皮膚を維持するために、莫大なエネルギーが使われています。
しかし、体内のエネルギーが足りていない場合、心臓など生命維持に重要な場所に、優先的にエネルギーを回していく必要があります。
アトピー性皮膚炎の症状がでている方は、身体のエネルギーが慢性的に不足しています。
体温を維持する事ができず、冷え性や低体温になる方が多いのはそのためです。
そして、皮膚へのエネルギー供給を減らした結果、乾燥肌になったのです。
分かりやすく説明すると、エネルギー不足が原因で、外堀(表皮)まで維持する事が難しくなったため、水の供給を内堀(真皮)まで減らしたために、乾燥肌になったのです。
まとめ
アトピー性皮膚炎の症状がでているという事は、正常な皮膚を作るだけのエネルギーを供給できないほど、慢性的なエネルギー不足に陥っています。
つまり、皮膚を潤わせるためのエネルギーが不足しているのです。
体内のエネルギー不足が原因で乾燥肌になっているのです。
そのため、水をたくさん飲んでも、乾燥肌が改善する事はないのです。
ちなみに、専門家の方は「栄養素が不足しているため」と解説をされている方も多いですが、その場合は、サプリメントなどを飲めば、乾燥肌が完治するはずです。
しかし、アトピー性皮膚炎の症状がでている方がサプリメントを飲み続けても、乾燥肌が完治することはほとんどありません。
私の場合も、食事には気をつけていますし、サプリメントを何年も飲み続けましたが、乾燥肌は完治しませんでした。
それどころか、サプリメントを飲み続けていても、乾燥肌が悪化する事がよくあったのです。
これは、私だけではありません。
栄養に気をつけた食事をしていても、サプリメントを飲み続けている方でも、乾燥肌が良くなるどころか、悪化している方も実際には多いのです。
ちなみに、サプリメントを飲み始めると症状が悪化する事はよくあることです。
サプリメントを勧めている専門家の先生は悪化することを「好転反応」と呼んでいます。
しかし、乾燥肌の根本的な原因は、食事や栄養不足が原因ではない場合が多いです。
皮膚に供給しているエネルギーが不足している事で、乾燥肌になっている場合がほとんどです。
原因が栄養不足でない場合は、サプリメントを飲み続けても改善する可能性がほとんどありません。
その場合は、「好転反応」ではなく、ただの悪化になります。
まとめると、乾燥肌の根本的な原因は、アトピー性皮膚炎の原因と同じです。
つまり、水不足や栄養不足、血行不良や汗をかかない事が原因ではありません。
そのため、乾燥肌を完治させるためには、アトピー性皮膚炎の原因を取り除く必要があるのです。
コメント