こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
「アトピー性皮膚炎の痒みは、身体が温まった時に痒くなるから、痒みがでた場合は、痒いところを冷やしましょう。」とお伝えしているお医者様は多いですよね。
書籍でもホームページでも、このようなアドバイスはよく見かけます。
しかし、本当に冷やした方がいいのでしょうか?
このページでは「痒みがでたら冷やせばいいの?」というご質問にお答えしていきます。
痒みがある所を冷やせば、痒みは止まるの?
「身体を温めたら痒くなるから、冷やせば痒みは止まるはず。」
確かに、この理論は正しいと思います。
しかし、私が何度も自分自身の身体で検証をした所、痒みを止める事はできませんでした。
確かに、冷やせば痒みが減った気がする場合があります。
しかし、実際の所は、痒みが止まっているのではなく、微妙な痒みが続いています。
そして、しばらくすると、体温が上がります。
すると、また、元通りの痒みが戻ってきます。
つまり、痒みがある場所を冷やしたとしても、痒みの強さが少し弱まる程度で、体温が元通りになれば、また強い痒みが戻ってくるのです。
なぜ冷やしても、痒みが止まらないのかというと、血液が通っているからだと思います。
血液が通っていれば、血液から「痒みを起こすためのエネルギー」が供給されています。
痒いところを冷やせば、血管は収縮し、血液からの「痒みを起こすためのエネルギー」は少なくなります。
しかし、エネルギー供給はゼロにはなりません。
そのため、痒みが弱くなったとしても、痒みが止まる訳ではないのです。
もちろん、凍傷になるほど、冷たい温度で長時間冷やせば、血液が止まり、皮膚へのエネルギー供給もなくなり、神経も麻痺しますので、痒みを完全に抑えることができるかもしません。
ただ、皮膚が別の意味で悪化してしまいますし、皮膚以外の部分にも悪影響を与えてしまいますので、この方法はお勧めできません。
弱い痒みなら我慢ができるの?
痒い場所を冷やすと、強い痒みから弱い痒みに変わる場合があります。
しかし、痒い場所を冷やして、強い痒みを弱い痒みに変えたとしても、掻かずに我慢をする事は本当に辛いことです。
「痒みが弱ければ、簡単に我慢ができるはず!」というのは、理論上ではそうかもしれませんが、実際に、弱い痒みを我慢すると分かりますが、拷問のように辛いです。
微妙な痒みが続くと、私の場合はすぐに掻いて痒みを止めたくなる衝動に駆られます。
しかも、我慢すればするほど、思い切り強く掻きたくなるのです。
また、強い痒みはしばらく我慢すれば一旦収まりますが、弱い痒みはなかなか痒みが収まりません。
弱い痒みは長時間続きますので、長時間、痒みを我慢するには、かなり強い精神力が必要です。
そして、長時間、何も手がつかないほど、我慢したとしても、報われることはありません。
私の経験では、一度、痒みが起きた場所は、掻くまで完全に痒みが止まりません。
我慢して痒みが止まったとしても、しばらくすると、また次の痒みがやってくるからです。
なぜなら、痒みが起きる場所は、掻くとすぐ出血するほど「皮膚に異常」が発生している場所です。
痒みの原因は「皮膚の異常」なので、「皮膚の異常」が改善しない限り、根本的な「痒みの原因」を取り除くことができないのです。
我慢すれば我慢するほど痒みは強まりますので、掻いた時のダメージは大きくなります。
また、我慢するとストレスも貯まります。
そのため、痒みがでたら、痒みもストレスも少ないうちに、すぐに掻いてしまった方が、トータルで見ると、一番皮膚の損傷を少なくすることができるのです。
まとめ
私の実験では、お医者様の見解とは全く違っていて、本当に申し訳ないのですが、アトピー性皮膚炎の痒みを冷やして止めるというのは、非常に難しいと思います。
血液が通っている限りは、冷やしてもすぐに体温が上昇していきます。
冷水などで冷やしている程度では、痒みは完全に止まらないからです。
冷やすことで痒みを完全に止めようとした場合、血液が完全に止まり、神経が完全に麻痺する超低温で、一定の時間、冷やす必要があると思います。
しかし、凍傷になるリスクもありますので、私としてはお勧めすることができません。
もちろん、痒みには個人差がありますので、冷やすだけで痒みが収まる方は、冷やしてもいいと思いますが、冷水で冷やした程度では痒みが止まらない方は、手間が増えるだけですので、あえて冷やす必要はないのです。
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