こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
「シックハウス症候群」がという言葉がありますが、建材から発生する「化学物質」がアトピーの原因という説があります。
それでは「化学物質」はアトピーの原因なのでしょうか?
このページでは「アトピーは化学物質が原因?」という質問にお答えしていきます。
化学物質の吸入吸収について
日本では1990年代に、シックハウス症候群という健康問題が社会問題になりました。
新築の家(シックハウス)に住むと、目がチカチカする、鼻水、のどの乾燥、吐き気、頭痛、湿疹などの症状が現れる方が続出したのです。
そして、その原因は建材などから発生する化学物質が原因である事が分かりました。
具体的には、下記の化学物質が中心になります。
私の経験になりますが、1990年代に、新築の家を購入した友達の家に遊びに行ったことがありますが、化学物質の匂いが充満していて驚いた事を覚えています。
しかし、その友達は、シックハウス症候群になる事はありませんでしたので、化学物質が充満している家に住んだとしても、必ずしも、症状が発症する訳ではありません。
シックハウス症候群とアトピーについて
シックハウス症候群の原因になっている家に住む事は、建材が放出する化学物質を吸引するため、アトピーの原因になるという説があります。
それでは、実際にどれくらいの人がアトピーを発症しているのでしょうか?
私がいろいろな資料を調べてみた限りでは、アトピーを発症するというデータ自体が見つかりませんでした。
また、シックハウスに住んだために、アトピーになったという体験談も探してみたのですが、こちらも見つけることができませんでした。
つまり、シックハウスが原因でアトピーになった人は、誰もいないのです。
「アトピーになりやすい」と書いてある記事は、「建築会社のホームページ」を中心に、いくつか見つけることはできましたが、その根拠となっているデータが全くないのです。
そのため、シックハウス対策がされる前と後で、アトピーの患者数に変化があるかどうかを調べてみました。
建築基準法が改正され、シックハウス症候群対策が施行されたのは、2003年になります。
シックハウスに関する相談件数は、2003年から減り始めていることと、建材から放出される化学物質は、換気などで時間が経てば経つほど減っていきますので、1990年から2003年までは、シックハウスの影響が非常に大きく、それ以降は徐々にシックハウスの影響が減っているという事で間違いはないと思います。
それでは、2003年以降は、アトピーの患者数は減り始めたのでしょうか?
2003年より前と後のアトピーの患者数を検索して調べてみたところ、2003年以降もアトピーの患者数は増え続けているというデータしか見つかりませんでした。
この結果から見ると、シックハウスとアトピーの発症率との因果関係はありません。
それでは、海外では、アトピーになるというデータはあるのでしょうか?
海外もシックハウス症候群がありますので、いろいろな国のデータを調べてみましたが、海外でもアトピーが発症するというデータを見つけることができませんでした。
そのため、シックハウスが原因でアトピーが発症するという事は、世界中の事例から考えても、ないと言えそうです。
まとめ
建材からの化学物質が充満しているシックハウスに住むと、アトピーの原因になるという説は、アトピーの原因は体内に化学物質などの毒素が蓄積されていることが原因であり、その毒素を皮膚から排泄する事が原因で、アトピーという症状が発生するとされています。
しかし、日本には、化学物質が原因で多くの人が犠牲になった四大公害事件(水俣病、新潟水俣病、イタイイタイ病、四日市ぜんそく)がありますが、アトピーの症状が発症したという報告は1件もないのです。
もし、化学物質が原因でアトピーが発症する場合、四大公害事件では、アトピーの発症者が激増したはずですが、そのようなデータは一切ないのです。
もし、皮膚に排泄の機能がある場合、皮膚は面積が非常に広いため、血液中に入り込んだ化学物質をどんどんと皮膚から排泄するはずですが、皮膚からの排泄は行われていないのです。
化学物質が体内に蓄積すると、アトピーになるという説は、根拠があるデータを元に導いた説ではなく、あくまでも「皮膚に排泄機能がある」という推測を元に導いた説に過ぎないのです。
しかし、現時点では皮膚に排泄機能があると導くことができるデータはありません。
また、化学物質が体内に蓄積するとアトピーになるとデータもありません。
そのため、シックハウスに住んでいたとしても、その事が原因でアトピーになるという事はないと考えられます。
ただ、アトピーの原因ではなくても、化学物質は健康に悪影響を与える事は確かです。
現在は、シックハウス症候群対策もされていますし、工場から体内に悪影響を与える化学物質が排出されることもありません。
しかし、マグロやカジキ、鯨などは、水銀濃度が高いため、大量に食べると体に悪影響があると言われています。
そのため、週に1回程度、食べる分には問題ありませんが、頻繁に食べることは控えるようにしてくださいね。
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