なぜ痒いところを掻くとすぐに出血するの?

なぜ掻くとすぐに出血するの?

こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。

痒くないところを掻いても、簡単には出血しません。
しかし、痒いところを掻くとすぐに出血しますよね。

それはなぜでしょうか?

このページでは「なぜ痒いところを掻くとすぐに出血するの?」というご質問にお答えしていきます。

出血の原因は「掻き癖」ではない理由

下記の記事に書きましたが、アトピーは「掻き癖が原因」という説があります。
「掻き癖」がアトピーの原因なの?

それでは、皮膚を掻かなければ、本当にアトピーにならないのでしょうか?

掻かなければアトピーにならない場合、次の説が成り立ちます。
それは「痒くなる皮膚」と「痒くならない皮膚」は、同じという事です。

掻かなければ、悪化しないという事は、皮膚は丈夫だという事です。
そのため、痒いところを掻いても、すぐに出血することはありません。

それでは、アトピーの方が痒くなった皮膚を掻くと、どうなるのでしょうか?

これは、実際に、痒くなった場所を掻くと、すぐに分かります。
少し強く掻くと、出血する事が多いですよね。

その理由は、痒くなっている皮膚は、皮膚が薄くなっているからです。

逆に、痒くない場所を掻いても、簡単に出血する事はありません。

その理由は、痒くない場所の皮膚は丈夫だからです。
症状がでていない皮膚は、皮膚が丈夫なので、簡単に出血することはないのです。

この事から、アトピーは「掻くこと」が原因ではない事が分かります。
アトピーは「掻き癖」が原因ではないのです。

なぜ皮膚が薄くなるの?

痒くなる皮膚は、掻くとすぐに出血するほど、非常に薄くなっています。
それではなぜ、皮膚が薄くなるのでしょうか?

長崎大学医学部のホームページから引用します。
https://www.med.nagasaki-u.ac.jp/urology/disease/urinary_diseases/adrenal_tumor/

コルチゾールの過剰分泌および日内変動の消失により、さまざまな症状が引き起こされます。代表的な症状は高血圧、高血糖、中心性肥満、野牛のような肩のこぶ、多毛などです。また皮膚が薄くなって血管の壁がもろくなるのですぐに皮下の内出血ができやすくなります。さらに精神的にもうつ傾向になることが知られています。

この説明を読むと、医学的に皮膚が薄くなる原因が分かります。
つまり、副腎皮質ホルモンの一種である「コルチゾール」が原因です。

そして、血管の壁ももろくなるので、出血しやすくなるのです。

皮膚が薄くなる薬について

副腎が分泌している「コルチゾール」は、皮膚を薄くする作用があります。
しかし、アトピーの症状がある方は、もう一つ、皮膚が薄くなる原因があります。

それは、ステロイド剤です。

ステロイド剤は「コルチゾール」を人工的に合成した薬です。
そのため、長期的に使用すると「コルチゾール」の作用が強く表れてきます。

つまり、ステロイド剤を使用すると、皮膚が薄くなり、血管がもろくなるのです。
この副作用に関しては、製薬会社のホームページなどでも説明がされています。

「帝国製薬株式会社」の資料から引用します。

ステロイド外用薬の代表的な副作用とその対処法
https://www.teikoku.co.jp/themes/main/top/images/steroid_side_effect.pdf

・皮膚がやや薄くなる

ステロイド外用薬を長期間塗り続けると皮膚が薄くなります。
症状に合わせて塗る回数を調整することが重要です。

・紫色の斑点ができる

ステロイド外用薬の長期使用により、毛細血管を保護する回りの組織がもろくなり、皮膚が少し圧迫されただけで毛細血管が破れ内出血を起こすことがあります。

アトピーの症状がではじめた時は、誰もステロイド剤を使用していません。
そのため、副腎が分泌している「コルチゾール」により、皮膚が薄くなります。

これが、ステロイド剤を使用していない方が、掻くとすぐに出血する理由です。

しかし、ステロイド剤を長期的に使用されている方の場合、コルチゾールの分泌量は激減しています。
その理由は、ステロイド剤を塗ると、コルチゾールとほぼ同じものが体内に入ってくるため、コルチゾールを分泌する必要がなくなるからです。

そのため、ステロイド剤の副作用によって、皮膚が薄くなります。
副腎が分泌しているコルチゾールが原因ではありません。

これが、ステロイド剤を長期的に使用されている方が、掻くとすぐに出血する理由です。

まとめ

皮膚が悪化するから「掻いてはいけない」とアドバイスをしている方は多いですよね。
しかし、皮膚が悪化する原因は「掻くから」ではありません。

掻かなくても、副腎が分泌している「コルチゾール」の働きによって、皮膚が薄くなっているのです。
そして、痒くなる皮膚は、薄くなっている皮膚なのです。

そのため、いくら「掻くこと」を我慢しても、皮膚が綺麗になる事はありません。

また、我慢することは、ストレスになります。
そして、ストレスはコルチゾールの分泌を増やします。

つまり、掻くことを我慢すると、皮膚が薄くなる可能性があるのです。

ちなみに、私の場合は、掻くことを我慢する事ができません。
そのため、痒くなった時は、いつも思い切り掻いていましたが、綺麗な皮膚になりました。

掻くことがアトピーの原因の場合、思い切り掻いている私は、アトピーが治らない事になります。
しかし、痒みを我慢せずに、思い切り掻いていても、綺麗な皮膚になります。

これは、アトピーの根本的な原因が「掻くこと」ではないからです。

ただ、掻くと皮膚の状態が悪化しますので、掻きたくない時もありますよね。
その時は、痒みを止める方法を使って、痒みを抑えても大丈夫です。

私の場合、仕事中などでどうしても掻きたくない時は、下記の記事に書きましたが、痒みを一瞬で止めています。

ステロイド剤を使わずに、簡単に痒みを止める方法
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いつでもどこでも簡単に痒みを止めることができますので、是非、皆さんも試してみてくださいね。

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