こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーの方が入浴をすると「痒みが広がっていく」ので、入浴は控えた方がいいとアドバイスされている方は多いです。
それでは、なぜ入浴をすると痒くなるのでしょうか?
このページでは「入浴をすると痒くなる理由」についてお伝えしていきます。
入浴をすると痒くなる理由
入浴をすると、すぐに痒みが始まる場合が多いと思います。
それでは、なぜ入浴をすると痒くなるのでしょうか?
その原因は「身体が温まるから」です。
冷たいシャワーを浴びても、痒くなることはありません。
もちろん、水風呂に入っても、痒くなることはありません。
しかし、身体が温まると痒くなるのです。
それでは、なぜ身体を温めると痒くなるのでしょうか?
それは体温が上がることによって「免疫力」が高くなるからです。
免疫力は「36.5度」の体温を基準とすると、1度上がると5倍前後、免疫力が上がると言われています。
風邪をひくと体温が上がる事から考えても、体温が上がると免疫力がアップすることは間違いありません。
それでは、免疫力が高くなると、なぜ痒くなるのでしょうか?
それは「痒みを引き起こす皮膚」があるからです。
正常な皮膚組織に免疫細胞が反応することはありません。
正常ではない皮膚組織である「痒みを引き起こす皮膚」に免疫細胞が反応して、痒みを引き起こすのです。
「痒みを引き起こす皮膚」は、入浴をしなくても痒くなる皮膚です。
しかし、常に痒いわけではありません。
軽傷の場合は、痒くなる頻度が低く、重傷になるにつれて、痒くなる頻度が増えます。
免疫力が低い時は痒くなりませんが、免疫力が高くなると痒くなるのです。
そして、痒みが治まっている時に入浴をすると、体温が上がることで免疫細胞の働きが活発になり、「痒みを引き起こす皮膚」が痒くなるのです。
入浴をすると痒みが広がっていくの?
入浴をすると「痒みの連鎖」によって、掻き始めると、どんどんと痒みが広がっていくと、アトピーに関する本やホームページに記載されている事があります。
これは本当でしょうか?
痒い場所を少しでも掻くと、その周辺も掻きたくなります。
そして、どんどんと痒くなる場所が広がっていきます。
これは、食欲と全く同じです。
お腹があまり空いていない時に、少しでも何かを食べると、食欲が湧いてきます。
その理由は、野生動物の状況を考えるとよく分かります。
野生動物はいつでも食事にありつけるとは限らないため、食べるチャンスがあれば、その機会を逃さないようにしないといけません。
そのため、少しでも何かを食べると、この機会を逃さないように、食べられるだけ食べようとするのです。
これは、痒みも同じです。
痒みが起きる時は、副交感神経が優位になっている時です。
つまり、リラックスしている時になります。
これも野生動物の状況を考えると分かりやすいですが、リラックスできる時は、他の動物などに襲われる心配が少ない安全な時に限ります。
しかし、安全な時間がいつまでも続くわけではありません。
そのため、掻くことができる時に、掻けるだけ掻こうとするのです。
これが「痒みの連鎖」と呼ばれているものです。
この点だけを考えると「痒みの連鎖」がある事は本当です。
しかし、痒みの連鎖は永遠に広がっていく訳ではありません。
「痒みの連鎖」が起きる場所は「痒みを引き起こす皮膚」がある場所だけです。
正常な皮膚まで痒くなることはありません。
実際に痒くなる場所を記録していると分かりますが、痒くなる場所や範囲は決まっています。
その範囲を超えて痒みが広がっていく事はありません。
正常な皮膚まで、痒みが広がることはないのです。
その理由は、正常な皮膚は、体温が上がったとしても、免疫細胞が反応しないからです。
正常な皮膚を掻こうとすると「痛み」が発生するため、掻こうと思っても掻くことができないのです。
もちろん、掻くことで皮膚の見た目は悪化しますが、下記の記事でお伝えした通り、掻くタイミングが早くなっただけに過ぎません。
入浴をするとアトピーは悪化するの?
つまり、入浴をすることで、痒みが広がっていく訳ではないため、アトピーが悪化する事はないのです。
まとめ
入浴をすると、痒みの連鎖により、痒みが広がっていくため、入浴を控えるように指導されている方はたくさんいます。
しかし、実際の所は、掻き始めることによって痒みが広がっても、正常な皮膚まで痒くなることはありません。
入浴をすることで、痒みの範囲が広がることはないのです。
また、入浴をしない事で痒みを抑えても、寝床に入った時や就寝中に身体が温まる事によって、結局は痒くなります。
そして、寝ている時に、無意識で掻いてしまう事になるのです。
入浴をする事で痒くなっても、ただ単に痒くなるタイミングが少し早くなっただけに過ぎません。
アトピーが悪化する訳ではありませんので、安心して入浴をしてくださいね。
ちなみに、私の場合は「痒みを我慢する」という選択肢はありません。
というのは、痒みを我慢することができないからです。
もちろん、一時的に痒みを我慢することはできますが、痒みが少し収まったとしても、しばらくすると、もっと強い痒みがやってきます。
痒みは我慢すればするほど、その次にくる痒みの強度は上がります。
痒みを一時的に抑える事ができたとしても、次から次へとやってくる痒みを永遠に抑えることは不可能なのです。
「痒みを我慢しましょう」と口で言うのは簡単ですが、アトピーの経験者であれば分かる通り、痒みを抑えることは不可能に近い事なのです。
分かりやすく説明をすると、「おしっこを我慢しましょう」というのと同じです。
一時的に、我慢をする事は可能ですが、永遠に我慢することが不可能な事は誰でも分かると思います。
また、掻くことがアトピーの原因ではありません。
そして、痒みを我慢しても、アトピーが治る訳ではありません。
痒みを我慢することで、皮膚の掻き壊しを防ぐことはできるかもしれません。
しかし、痒みをいくら我慢しても、皮膚が再生することはありません。
もちろん、下記の症状写真のように、甘皮が再生することもありません。
アトピーと甘皮について
綺麗な皮膚を再生するためには、痒みを我慢するよりも、アトピーの根本的な原因を取り除く事の方が何倍も大切です。
アトピーの根本的な原因がある限り、いくら痒みを我慢しても、アトピーが治ることはありませんし、痒みが消えることもありません。
逆に、アトピーの根本的な原因を取り除けば、好きなだけ掻いて、皮膚が血だらけになったとしても、アトピーの症状は消え去り、痒みもなくなり、綺麗な皮膚になるのです。
下記の症状写真は、痒みを我慢することで、皮膚を綺麗にしたのではありません。
痒みを我慢せずに好きなだけ掻いていても、この症状写真のように、アトピーを完治させる事はできるのです。
アトピーの症状写真
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