こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーの方は「エアコンを使わない方がいい」とよく言われていますよね。
それでは、エアコンを使うとアトピーは悪化するのでしょうか?
このページでは「エアコンを使うとアトピーは悪化するの?」というご質問についてお答えしていきます。
エアコンの普及がアトピーの原因なの?
エアコンが普及したことによって、夏でも汗をかかない子供が増えてきた。
エアコンの普及がアトピーの一因なので、夏はエアコンを付けずに汗をたくさんかいた方がいい。
とアドバイスしている方は多いですよね。
エアコンを使う事で、身体が冷えると、自然治癒力が低下することは確かだと思います。
それでは、エアコンの普及がアトピーの原因なのでしょうか?
ここでは、私の経験を書いていきたいと思います。
私の両親はエアコン反対派でした。
そのため、私は大人になるまで、エアコンなしで過ごしています。
家庭にエアコンがなくても、学校にエアコンがあるのでは?
と思うかもしれませんが、1970~1980年代は、学校にエアコンがないのが当たり前でした。
もちろん、私が通っていた学校(深谷小学校、東城陽中学校、城陽高等学校)も、エアコンはなかったのです。
このように、学校も家庭もエアコンなしでずっと過ごしていましたが、アトピーは生後数ヶ月から発症していましたし、小学生の時も中学生の時も高校生の時も、アトピーの症状はでていました。
また、アトピー性皮膚炎の患者さんが増えてきたのは、1965年からと言われていますので、エアコンが普及していない時から、アトピーの患者はいたのです。
もし、エアコンがアトピーの原因ならば、夏に一切エアコンを使っていない私がアトピーになるのはおかしいですし、エアコンが普及していない時から、アトピーの患者数が増えてきたという事実は、つじつまがあいません。
そのため、エアコンの普及はアトピーの原因とは言えないのです。
エアコンを使うとアトピーは悪化するの?
上記でエアコンはアトピーの原因ではないことをお伝えしましたが、エアコンを使うと、アトピーが悪化するとアドバイスしている方は多いですよね。
それでは、エアコンを使うとアトピーは悪化するのでしょうか?
まず、医学的な視点で考えてみましょう。
「体温が上がると免疫力が上がる」と言われていますが、医学的にはアトピー性皮膚炎は「免疫過剰」が原因と言われています。
体温を上げるということは、もともと免疫が過剰な事によって、アトピーが悪化しているにも関わらず、さらに、免疫を上げるという事になります。
医学的には体温が1度上がると、免疫力が30%もアップするとのこと。
アトピー性皮膚炎の原因が「免疫過剰」の場合、体温を上げるということは、油に火を注ぐのと同じですので、医学的な視点で考えると、エアコンを使って体温を下げた方がいい。
ということになります。
もちろん、これは医学的に考えた場合ですが、実際に、エアコンを使うと、免疫力が低下し、アトピーの症状が消えていくのでしょうか?
オフィスで働いている方は、一日中、空調が効いている部屋の中で仕事をしていますが、エアコンで汗をかかなくなったという話は良く聞きますが、アトピーが良くなったという話は聞いたことがありません。
それよりも、空調の効いた部屋の中にいることで、身体の冷えに悩まされている方が多いのが現状です。
部屋の温度を冷やせば冷やすほど、体温を下げることで免疫を低下させることができますので、医学的には「免疫過剰」を抑える事ができます。
つまり、理論上は「痒みを抑える」事ができます。
しかし、実際の所は、アトピーの症状以前の問題で、アトピーの方がエアコンが効いた部屋の中にいると、身体が冷えて、体調が悪化する場合が多いのです。
身体が冷えると、血流が悪化しますので、皮膚に十分な栄養素を送る事ができなくなり、皮膚の新陳代謝が悪くなります。
つまり、アトピー性皮膚炎の治りが遅くなります。
そのため、エアコンを使う事で、アトピーの症状が悪化する場合があるのです。
とは言え、エアコンを自分自身の体質や体調に合わせた温度設定にして使うと、アトピーの症状が悪化することを防ぐことも可能です。
大切なことは、エアコンを使うか使わないかではなく「身体を冷やさないようにする事」なのです。
エアコンの設定温度について
上記でエアコンをあまり使わない方がいいことを書きましたが、部屋の中の温度は、住んでいる地域や住宅によって、かなり大きな差があります。
北海道と沖縄では、同じ日でも気温が全く違いますよね。
また、住宅の種類によっても、かなり部屋の温度は変わります。
昔の日本の住宅は、風通しもよく、エアコンがなくても問題ありませんでした。
暑ければ「スイカ」を食べたりして、体温を下げていたのです。
そして、風鈴を付けたりして、夏の暑さを楽しんでいたのです。
しかし、エアコンが普及してからは、エアコンがある事を前提に家が建てられているため、気密性が非常に高くなっています。
特に、マンションの場合は、部屋の中を風が通り抜けることもないため、夏はどんどんと部屋の温度が上がっていきます。
昔とは家の作りが変わってしまったため、エアコンを付けずにいると、逆に暑さで体調不良になる可能性が高まったのです。
そのため、暑い地域に住んでいる方や気密性の高い住宅に住んでいる方の場合は、部屋の中が暑くなりすぎないように、エアコンを使った方が良い場合も多いです。
私の場合は、夏はエアコンの温度を28度に設定しています。
この温度は、私にとっては、身体が冷えることもなく、汗をかかないぎりぎりの温度になります。
汗をかくと、体力を消耗しますので「汗をかかないぎりぎりの温度設定」がポイントです。
個人差がかなりあると思いますが、良かったら、参考にしてみて下さいね。
ちなみに、私はアトピー性皮膚炎の原因が「免疫過剰」とは考えていません。
その理由は、下記の記事に書いていますので、興味がある方は是非、読んでみて下さい。
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