「酸性水」でアトピーは改善するの?

「酸性水」でアトピーは改善するの?

こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。

「アトピーには「酸性水」がいい」という事を聞いたことはないでしょうか?

このページでは「酸性水でアトピーは改善するの?」というご質問に、私の体験談を交えながら、お答えしたいと思います。

「酸性水」を皮膚に使うとどうなるの?

Wikipediaの「強酸性電解水」のページより引用します。

1995年の報告では、21例の幼児のアトピー性皮膚炎の患者に、二重盲検法で超酸性水か水道水を霧吹きで噴霧し1週間後に観測したところ、超酸性水を使ったほうのみ皮膚症状の減少が有意であった(効果がないわけではないの意味)。1997年の報告では、二重盲検法で水を噴霧し1週間後に観察したところ、水道水11例は症状に変化がなく、強酸性水11例には症状に改善が見られた。2001年1月に小児科医療の専門誌に、患者23例に対する二重盲検法による2週間にわたる臨床研究を行ったところ、強酸性水を使った13例中の10例に症状の改善が見られたと報告された。

このように「強酸性水」を使用したことで、アトピーの症状の改善が見られたとの報告があります。
それでは、なぜ酸性水を使うと、アトピーの症状が改善するのでしょう?

「酸性水」の一番の効果と言えば、殺菌効果です。

皮膚に生息している毒性が強い菌である「黄色ブドウ球菌」も強酸性水を使用することで、皮膚から排除することができます。

上記の改善例は、強酸性水を使う事で、皮膚の表面についていた黄色ブドウ球菌を排除することで、症状がでている部分の皮膚の毒性が低下したため、痒みなどを和らげる事ができたのだと思います。

ちなみに、私も「酸性水」を使ったことがあります。

1980年代に母親が水道水を「アルカリイオン水」と「酸性水」に分離する「整水器」を購入したのです。

酸性水は皮膚に塗ったり、顔を洗ったりする事に使っていました。
また、アルカリイオン水は、飲み水として使っていました。

そして、その効果に関してですが、残念ながら、私の場合は全く効果がありませんでした。
皮膚の症状が改善するということもなく、相変わらず、顔の症状はかなり強くでていました。

ただ、上記でお伝えしたアトピーが改善したという報告は「強酸性水」になります。
そのため、私が使用していた「酸性水」では改善の効果はそれほどないのかもしれません。

「酸性水」と「強酸性水」の一番の違いは「殺菌力」です。
そのため「酸性水」で改善できなかったのは、「黄色ブドウ球菌」を排除することができなかったからかもしれません。

ただ、黄色ブドウ球菌の排除は、強酸性水ではなく、マキロンなどの消毒薬でも可能です。

そして、実際に、病院では消毒薬を使っています。
そして、私も消毒薬を使った経験があるのです。

母親が私の炎症がでていた皮膚に「マキロン」を脱脂綿で塗った事がありました。
かなり染みましたが、翌日にはかなりアトピーの症状が改善したのです。

これは、マキロンが黄色ブドウ球菌を排除した効果かもしれません。

みるみるうちに、アトピーの症状が消えていくのを見て、母親が「もっと前に塗っておいたら良かった!」とつぶやいたのを今でも覚えているくらいです。

マキロン

しかし、残念ながら、その症状は長くは続きませんでした。
しばらくすると、マキロンを塗っても全く効果はなくなり、その後は、また元通りの皮膚に戻っていったのです。

2001年の強酸性水のアトピーの改善例でも「2週間」の観察で改善が見られたと書いてありますが、それ以降については何も書いてありません。

小児科での研究であることを考えると、1ヶ月後や2ヶ月後の結果も見ていると思いますが、その報告がない事を考えると、思うような結果が得られなかったのだと思います。

長期的な観察結果の報告がない事と「完治」できたという報告もないため、強酸性水に関しては、私と同じように、一時的に改善しただけで、2週間を過ぎると、また元通りの症状に皮膚が戻った可能性が非常に高いです。

炎症がある部分を殺菌するとどうなるの?

炎症がある部分を殺菌する事で、一時的に症状は改善する可能性が高いです。
その理由は、上記にも書いた通り、毒性が高い黄色ブドウ球菌を排除した効果だと思います。

しかし、毎日、炎症がある部分を殺菌することで、黄色ブドウ球菌は繁殖していないはずなのに、なぜ、改善した皮膚が悪化していったのでしょうか?

黄色ブドウ球菌は毒性が強い菌なので、黄色ブドウ球菌が皮膚に生息していることで、外敵のウィルスや菌が繁殖しにくくなります。

もちろん、黄色ブドウ球菌が生息していると、黄色ブドウ球菌の毒性から皮膚を守らないといけないため、炎症がある部分の免疫力は高まります。

しかし、殺菌することで、黄色ブドウ球菌を皮膚から排除すると、黄色ブドウ球菌の繁殖から皮膚を守る必要がなくなるため、免疫力が低下し、その結果、痒みも減り、皮膚も改善します。

ただ、いいことばかりではありません。
黄色ブドウ球菌がいなくなった部分には、外敵のウィルスや菌が付着しやすくなるからです。
その結果、付着したウィルスや菌は、黄色ブドウ球菌という敵がいないため、繁殖しやすくなるのです。

そして、炎症がでている部分の皮膚は薄くてもろいため、ウィルスや菌は簡単に体内に入ってくることができます。
そのため、新たに付着したウィルスや菌から身体を守る必要があるため、免疫力を上げないといけません。

そして、身体が免疫力を上げると痒みも強くなり、しばらくすると皮膚の症状も元に戻ってしまうのです。

強酸性水のお勧めの使い方

通常の酸性水の場合は、アトピーが改善する効果はそれほどないかもしれません。
私の場合は、全く改善することはありませんでした。

ただ、「強酸性水」の場合は、殺菌力が消毒薬と同じくらい強いため、毒性が強い黄色ブドウ球菌を皮膚から排除することができます。
そのため、一時的にアトピーの症状は改善する可能性が高いです。

しかし、殺菌することで無菌状態となった所にウィルスや菌が付着すると、黄色ブドウ球菌という敵がいないため、皮膚に付着した菌は繁殖しやすくなります。
また、炎症がでている皮膚は、薄くてもろいため、付着したウィルスや菌は体内に入りやすくなります。

そのため、ウィルスや菌から身体を守るために免疫力をアップした時に、炎症が強くなり、元の悪化した皮膚に戻ってしまう可能性が高いのです。

また、黄色ブドウ球菌は、強い紫外線を浴びると死滅します。
そのため、症状がでている部分に強い紫外線を照射する実験もした事があります。

この結果ですが、浸出液がでている場合などは止まりますので、ウィルスや菌の大部分は死滅した可能性があります。
そのため、「とびひ」などの感染症を防ぐには紫外線が有効である事が分かりました。

もちろん、これは強酸性水でも同じような効果がでる可能性が高いため、浸出液がでている場所などに「感染症対策」として強酸性水を使うのは、お勧めの方法になります。

アトピーの治療に強酸性水は必要?

強酸性水は感染症対策に有効な事をお伝えしましたが、最後に、アトピー性皮膚炎を根本的に治すために強酸性水は必要なのかを検証していきたいと思います。

強酸性水を使う理由は「黄色ブドウ球菌」を死滅させるためです。

「黄色ブドウ球菌」がアトピーの原因の場合は、強酸性水はアトピーの治療に大きな効果がでると思います。
しかし、実際の所、下記の記事でお伝えした通り、アトピーの原因は「黄色ブドウ球菌」ではありません。
「黄色ブドウ球菌」がアトピーの原因なの?

1965年までは、アトピーの患者数はほとんどいませんでしたが、誰も強酸性水を使っていないのに、アトピーにならなかったのです。
黄色ブドウ球菌は誰の皮膚にも生息していますが、誰もアトピーにはならなかったのです。

また、黄色ブドウ球菌がアトピーの原因である場合、どの時代でもどの国でも、アトピーを発症する割合は変わらないはずですが、そうではありません。

黄色ブドウ球菌は、日本人の皮膚だけに住んでいるのではなく、どの国の人の皮膚にも住んでいます。

そして、衛生状態が悪い国の方が黄色ブドウ球菌は多いはずですが、逆に、衛生状態が悪い国の方がアトピーが発症する割合が低いのです。

根本的にアトピーを治すためには、原因療法をする必要がありますが、強酸性水を誰も使っていなかった時代にアトピーの人がいなかった事から考えても、強酸性水の治療は原因療法にはなりません。

もちろん、強酸性水が皮膚に及ぼす作用について否定しているのではありません。
感染症対策として使うなど、対症療法として使うのはお勧めの使い方になります。

また、一時的に、皮膚の負担を減らし、症状を引かせるために使用する場合や、感染症対策として、浸出液がでている部分だけに使用するだけなら、副作用はほとんどないと思います。

しかし、私の体験から考えても、長期的に使い続けると、効果がでなくなってしまう可能性が高いため、あくまでも使用は短期間にとどめておいた方がいいと思います。

余談になりますが、「アルカリイオン水の飲用」と「弱酸性水の塗布」を使った治療で有名だった明石病院は、皮膚科がなくなりました。

アルカリイオン水も酸性水も作るコストはそれほどかからないため、たくさん売れていれば、利益はかなり大きかったと思います。

それでも、皮膚科がなくなったという事は、皮膚科で診療を受けた多くの方々がアルカリイオン水や酸性水の効果を感じる事ができず、酸性水を購入しなくなったからだと考えられます。

もちろん、ステロイド剤と同じで、最初の1回目や2回目は効果がでたと思うのですが、この記事でお伝えしたように、使い続けるうちに、効果がでなくなったため、リピート購入がなかったのだと思います。

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