こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーは「放射能」が原因という説があります。
ウィキペディアによると、原子力発電所が日本で運転を始めたのが1963年10月26日です。
アトピーの患者が増え始めたのは、1965年からですので、原子力発電所の増加とアトピーの患者の増加は一致します。
それでは、放射能はアトピーの原因なのでしょうか?
このページでは「アトピーは放射能が原因?」という疑問にお答えしていきます。
※放射線を出す「能力」のことを放射能と言いますので、言葉としては「放射線」の方が正しい使い方になりますが、日本では「放射能」が一般的に使われていますので、この記事でも一部を除いて「放射能」という言葉を使っています。
原子力発電と放射能について
日本では1963年に茨城県の東海村で原子力発電が始まりました。
その次は、1974年と1975年に高浜発電所、1976年に美浜発電所と3年連続で、福井県に原子力発電所の運転が始まりました。
その後は、日本全国で原子力発電所の運転が始まっています。
原子力発電所から漏れている放射能は、事故がなければ、年間1ミリシーベルト以下ですので、ほとんど人体に影響はありません。
しかし、日本では原子力発電所が増えていくにつれて、アトピーの患者が増えていることは確かです。
それでは、原子力発電所からの放射能の漏れが、アトピーの原因なのでしょうか?
この答えは、原子力発電所がない国のアトピーの発症率を調べると分かります。
原子力発電所がない国の1つに「ニュージーランド」があります。
ニュージーランドは日本と同じ「島国」です。
オーストラリアが隣の国になりますが、約2000キロも離れています。
そして、オーストラリアにも原子力発電所はありません。
つまり、原子力発電所による放射能の影響が全くない国が「ニュージーランド」になります。
それでは、ニュージーランドには、アトピーの人はいないのでしょうか?
「ニュージーランド アトピー 割合」で検索すると、ニュージーランドのアトピーの発症率などを確認することができますが、10%を超えています。
つまり、ニュージーランドのアトピーの発症率は、日本と同じくらい多いのです。
ちなみに、2020年にネットニュースになりましたが、ステロイド剤を25年間使用したニュージーランドのオークランド在住のアニータ・ウォンさんは、5歳の頃にアトピー性皮膚炎を発症しています。
「アトピー アニータ・ウォン」で検索をすると、アニータ・ウォンさんが薬を辞めて、アトピーの症状が回復するまでのストーリーを読むことができますので、興味がある方は、是非、検索して、読んでみて下さい。
ちなみに、同じく原子力発電所のないオーストラリアでも、アトピーの発症率は10%を超えています。
つまり、原子力発電所とアトピー性皮膚炎には因果関係が全くありません。
また、原子力発電所のわずかな放射能漏れが、アトピーの原因とするならば、原子力発電所の近くに住んでいる人はアトピーの発症率が多くなり、原子力発電所から遠くなればなるほど、アトピーの発症率が減るはずです。
しかし、実際の所は、原子力発電所がある地域よりも、原子力発電所から離れている都市部の方が圧倒的にアトピーの発症率が高いのです。
また、1986年にチェルノブイリの原子力発電所の事故で、深刻な放射能漏れが起きましたが、チェルノブイリ周辺に住んでいる方のアトピーの発症率が増えたというデータもありません。
この点から見ても、原子力発電所の放射能がアトピーの原因ではないことが分かると思います。
「放射能」とアトピーの関係
放射能がアトピーの原因と考えている方は一部の方に過ぎませんが、なぜ、そのような考え方が生まれたのでしょうか?
1つは、最初に記載しましたが、原子力発電所が増えていくにつれて、アトピーの発症率が増えたことです。
そして、もう一つは、放射能は「免疫力を落とす」と言われているからです。
免疫力が落ちると、ウィルスなどに抵抗する力が弱まりますので、あらゆる病気の発症率が上がります。
もちろん、風邪を引きやすくなりますし、ガンにもなりやすくなります。
アトピーも免疫力が落ちると発症すると考えている方もいますので、原子力発電所の放射能がアトピーの原因という説があるのです。
ちなみに、医学的には「免疫過剰」がアトピーの原因とされています。
免疫力が落ちるとアトピーが発症するというのは、医学的に見ると間違った考え方です。
しかし、私は下記の理由で「免疫過剰」がアトピーの原因ではないと考えています。
アトピーは「免疫過剰」が原因ではない3つの理由
自然放射線について
放射能は原子力発電所からだけ発生している訳ではありません。
原子力発電所がなくても、自然界には放射線レベルが高い地域はたくさんあります。
通常運転の原子力発電所からわずかに漏れている放射能よりも、遙かに高い放射線を浴びている人はたくさんいるのです。
例えば、インドのケララ州では、放射線レベルが日本の10倍以上と、非常に放射線レベルが高い地域の1つです。
それでは、インドのケララ州にはアトピーの発症率は高いのでしょうか?
調べるとすぐに答えはでてきますが、アトピーの発症率は皆無に近いのです。
ケララ州に限らず、インドのアトピーの発症率は皆無に近いのです。
もし、放射能がアトピーの原因の場合、自然放射線レベルの高い地域のアトピーの発症率は高いはずです。
しかし、「高自然放射線地域」を調べると分かりますが、自然放射線レベルの高い地域でアトピーの発症率が高い国はほとんどありません。
つまり、人工的な原子力発電所の放射能に限らず、自然放射線レベルに関しても、アトピーとの因果関係は全くないのです。
まとめ
アトピーの原因についてはいろいろな説があります。
しかし、そのほとんどがしっかりと検証されていません。
今回、記事にさせて頂いた「原子力発電所の放射能説」に関しても、その1つです。
そして、多くの方が間違った説に振り回されています。
もちろん、データが少なかった昭和時代は仕方がないことです。
しかし、アトピーの患者が増え始めてから50年以上経ち、インターネットで検索すれば、誰でも世界中のアトピーのデータを見ることができる令和になった今でも、間違った説があふれているのが現状です。
インターネットで少し調べるとすぐに分かることでも、調べることなく、ほとんどの方が間違った説を発表しているのです。
食品添加物説、肉食説、ウィルス説、活性酸素説、遺伝説など、いろいろありますよね。
アトピーに関する書籍は、新刊が出る度に、私も読んでいますが、お医者さんが自分の病院の治療法の宣伝のために書いている本も多いですので、これは仕方がない事かもしれません。
ちなみに、アトピーの根本的な原因ですが、今の世の中では、事実を発信するとバッシングを受ける可能性が高いです。
というのは、アトピーの患者数は少しずつ増えています。
そして、病院や製薬会社にとって、巨大な市場になってしまっているのです。
アトピーが病院に行かなくても治ってしまえば、病院や製薬会社にとっては困るのです。
特に皮膚科の場合、アトピーの患者がいなくなれば、潰れてしまう病院がたくさんでてくると思います。
それほど、アトピーの患者は多くなってしまったのです。
そのため、私以外にアトピーの根本的な原因を知っている方は、世界中に、何人もいると思いますが、発表できない状況にあるのか、発表していないのかもしれません。
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