こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
デトックス関係の書籍には「アトピーは食品添加物などを摂ることにより、体内に毒素が蓄積している事が原因」と書いてあるものが多いですよね。
それでは、アトピーは食品添加物が原因なのでしょうか?
このページでは「食品添加物がアトピーの原因なの?」という質問について、お伝えしていきます。
食品添加物はいつから使われ始めたの?
「アトピーは食品添加物が原因」と主張している方は多いですが、それは下記のような理由になります。
食品添加物が使用されはじめてから、アトピーの患者が増えだした。
食品添加物は体にとって毒であるため、その毒を皮膚から排泄するために、アトピーの症状がでている。
それでは、1つ1つ検証していきたいと思います。
食品添加物が使用されはじめたのは、いつ頃からでしょうか?
Wikipediaから引用します。
日本では着色料などが古来使用されてきたが、有害性に対する認識は広く持たれていなかった。それに加え明治維新以降の開国により、毒性が当時不明であった外国産の色素が多数輸入されてきた。このため、1876年(明治9年)に東京府が食品へ外国製着色料を使用することを禁じ、日本の食品添加物規制が始まったとされている。
その後も中毒事件が多発したこともあり、「飲食物其ノ他ノ物品取締ニ関スル法律」および関連する法律が1900年(明治33年)からの数年間に公布され、食品添加物関連への統括的な制限・規制が始まった。しかしながら、その後もサッカリン、ズルチンなどの有害指定された甘味料の不正利用は続き、第二次世界大戦中には一部使用が解禁されている。また防腐剤としては、サリチル酸、ナフトール、亜硝酸等に関する議論が、第二次世界大戦前から続けられた。
私も食品添加物について調べてみて初めて分かったのですが、1000年ほど前から使われていたのです。
食品添加物と言えば、ほとんどの方は「戦後」から使用が増えたというイメージがあると思います。
しかし、実際の所は、それよりもずっと前から食品添加物が使用されていたのです。
食品添加物が使用されはじめてから、約1000年間もアトピーを発症する方がいなかったという事実から考えると、食品添加物の使用とアトピーの発症には因果関係がないと言えます。
それでは、なぜ「食品添加物がアトピーの原因」という説を主張している方が多いのかと言えば、「食品添加物は戦後から使用されはじめた」という固定概念が頭の中にあるからです。
私も調べるまでは、食品添加物は戦後から使われはじめたというイメージがありました。
それでは、なぜ食品添加物が戦後から使われ始めたというイメージができたのかを調べてみたところ、「食品添加物」という言葉が使われ始めたのが戦後からだったのです。
つまり、食品添加物自体は約1000年前から使われていましたが、戦前までは食品添加物という言葉自体がなかったのです。
そして、戦後から「食品添加物」という言葉が使われ始めたため、「食品添加物が使われ始めたのは戦後から」というイメージができてしまったのです。
しかし、実際の所は、食品添加物の歴史は古く、1000年以上も前から使われていたのです。
食品添加物の毒性について
食品添加物の使用が始まった時期とアトピーの発症時期に関しては因果関係がないことが分かりました。
しかし、大昔は食品添加物の毒性が低く、戦後は毒性が強くなったという事も考えられます。
それでは、食品添加物の毒性に変化はあったのでしょうか?
調べてみたところ、戦後から昭和40年頃までは食品添加物による中毒が起きるなど、毒性が強いものが使われていたみたいです。
そのため、昭和40年代以降は国の規制も強化され、安全性が高い食品添加物しか使われていません。
つまり、食品添加物は、1965年までは毒性が強いものも使われていたが、1965年以降は、安全性が高いものしか使われていないのです。
それでは、アトピーと食品添加物の毒性に因果関係はあるのでしょうか?
アトピー性皮膚炎の患者が増え始めたのは、1965年からになります。
そして、毒性が強い食品添加物が使われていたのは1965年までであり、1965年以降は規制が強まり、食品添加物の安全性が高まっています。
つまり、アトピー性皮膚炎の患者数は、毒性が強い食品添加物が使われていた時期は発症せず、安全性が高まってから、患者数が増えているのです。
この事実から考えると、食品添加物の毒性とアトピーの発症に関しては、因果関係がないことが分かります。
食品添加物の多量摂取について
私は2000年頃にフィリピンのマニラに行ったことがあります。
そして、現地で出会った人の家庭に呼ばれた事がありました。
その時に、ジュースを頂いたのですが、そのジュースが添加物だらけのジュースだったのです。
フィリピンの人は食品添加物を摂ることに抵抗がない事に対して、その時はびっくりした事を覚えています。
そのため、マニラのスーパーで売っている物を調べてみたところ、日本以上に、加工品には食品添加物が使われている事が分かったのです。
恐らく、フィリピン人の食品添加物の摂取量は、日本人よりもかなり多いはずです。
現代の日本では食品の安全志向が高まっていますので、日本人は添加物をできるだけ避ける傾向がありますし、メーカーもその事を知っていますので、食品添加物が少ない加工食品も多いです。
しかし、戦後は日本でも食品添加物がふんだんに使われていたように、フィリピンでも、食品添加物はふんだんに使われているのです。
それでは、フィリピンではアトピーの人は多いのでしょうか?
私が訪れた2000年頃は、フィリピンにアトピーの人は全くいませんでした。
アトピーの人は誰一人として見かけたことはありませんし、フィリピンにアトピーの人がいるというデータもありませんでした。
アトピーの原因が食品添加物の場合、食品添加物を多量摂取しているフィリピン人は、日本人よりアトピーの患者数が多いはずです。
しかし、実際の所は、食品添加物を長年にわたって多量に摂っていても、アトピーになる人がフィリピンにはいないのです。
これは、体内に食品添加物が一定以上蓄積されたとしても、アトピーが発症しないということになります。
この事実から考えると、食品添加物の多量摂取とアトピーの発症に関しても、因果関係がないことが分かります。
食品添加物と痒みについて
食品添加物とアトピーの発症に関しては、因果関係がない事が分かりましたが、アトピーが発症している方は、食品添加物を摂ると痒くなる方は多いと思います。
この点から考えると、食品添加物はアトピーの原因なのでは?
と考えてしまうのも無理はありません。
私の場合、コンビニのお弁当を食べて痒くなった経験が何度もあります。
特定のお弁当だけ痒くなるのではないため、特定の食品で痒くなるのではありません。
コンビニのお弁当には食品添加物の含有量が多いため、食品添加物が痒みの原因である可能性が非常に高いです。
しかし、私はアトピーの症状がでていない時に、1週間程度、毎日コンビニのお弁当を食べ続けた事がありますが、アトピーの症状は全くでませんでした。
確かに、食べると食後に毎回痒くなります。
しかし、掻いてもすぐに治りますので、悪化しないのです。
もし、食品添加物がアトピーの原因の場合、食品添加物をとり続けて、痒くなる度に掻いていれば、皮膚は掻く度に悪化していき、なかなか治らないはずです。
また、1年間以上、昼食にコンビニ弁当を食べ続けているサラリーマンの方は多いですが、その方のアトピーの発症率が多いかというと、そうではありません。
私はコンビニ弁当を毎日食べていた人を知っていますが、誰もアトピーになっていないのです。
また、コンビニ弁当を食べ続けているとアトピーになるというデータもありません。
この点から考えると「痒みの原因」と「アトピーの原因」は違うことが分かります。
食品添加物は「痒みの原因」になる時があっても、「アトピーの原因」ではないのです。
まとめ
食品添加物の摂取量に関しては、私が訪れた事があるフィリピンを例にしましたが、食品添加物の摂取量が多いのは、フィリピンだけではありません。
東南アジアの国々では、食品添加物を日本人より多量に摂取している国で、アトピーの発症者がいない国がたくさんあります。
「食品添加物は体に悪いからアトピーの原因になっている」「食品添加物を摂ると痒くなる」というイメージがある方も多いと思いますが、実際に1つ1つ検証していくと、因果関係がない事がよく分かります。
ただ、注意しないといけないのは、因果関係がなくても、アトピーの症状がある方は、食品添加物の摂取はできるだけ減らした方がいいという事です。
アトピーの症状がでている方は、体の機能低下が進行しているため、食品添加物を体内で処理する能力が衰えています。
そのため、食品添加物を一定以上摂ると、痒みが発症する可能性が高いからです。
これはお菓子も同じです。
アトピーが完治している時にお菓子を食べても痒くなりませんが、アトピーの症状がでている時にお菓子を食べると痒くなります。
繰り返しになりますが、痒くなるのは、体の機能低下が進んでいる時です。
そして、アトピーの症状がでている時は、体の機能低下が進んでいるため、同じものを食べても痒くなり、なかなか治らないのです。
まとめると、食品添加物はアトピーの原因ではありません。
そのため、健康な方が食品添加物を摂っても、アトピーにはなりません。
しかし、アトピーの症状が発症している方は、少しでも痒みを抑える必要があるため、痒みの原因となる食品添加物はできる限り摂らない方がいいのです。
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