こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーの症状がある場合、ストレスを感じると、痒くなることは本当に多いですよね。
それでは、ストレスはアトピーの原因なのでしょうか?
このページでは「ストレスがアトピーの原因なの?」という質問に対して、私の体験談を交えながらお答えしていきます。
アトピーと転地療法について
私が20代の前半の頃は、アメリカ西海岸によく旅行に行っていました。
そして、何日かすると、なぜかアトピーの症状が少しずつ消えていきます。
一度や二度ではなく、毎回ですので、偶然ではありません。
もちろん、薬などは一切使っていません。
そして、帰国する頃には、誰が見てもアトピーとは思えないほど、綺麗な皮膚になっているのです。
たった2週間、アメリカで過ごすだけで、皮膚が綺麗になるのです。
これは、転地療法の効果なのですが、なぜアメリカ西海岸に行くと皮膚が綺麗になるのか、当時は原因が全く分かりませんでした。
仕事ではなく旅行で行くわけなので、「ストレスがなくなった事がアトピーが治った原因では?」とよく周りから言われていました。
確かに、家庭にいるとストレスが溜まります。
当時、就職をしていなかった私に、母親は「就職しろ」といつも説教ばかりしていましたので、それが本当に強いストレスになっていました。
そして、そのストレスが原因で痒くなることがあるのは確かです。
しかし、「ストレスがアトピーの原因か?」と言うと、それは違うと感じていました。
ストレスがない時でも、アトピーの症状が悪化することはよくあったからです。
もちろん、精神的なストレスだけではなく、肉体的なストレスも含めてです。
また、実家にずっと住んでいても、アトピーの症状がそれほど酷くない時もあります。
かなり悪化する年もあれば、症状がほとんどでない年もあるのです。
実家に住んでいる事によるストレスがアトピーの原因の場合は、年によってそれほど症状に変化がないはずですが、年によって症状に大きな変化があるのが事実です。
この点を考えても、ストレスがアトピーの根本的な原因とは考えにくいのです。
しかし、アメリカ西海岸に行くと、症状が綺麗に回復することは紛れもない事実です。
また、実家に住んでいる限りは、アトピーの症状が改善しない事も確かでした。
アルバイトもできず、自宅にこもりきりの生活をしていた時に、親は北海道の親戚の家に転地療法をすることを勧めてくれました。
もし、北海道でも転地療法の効果がでるならば、北海道に住むという選択肢ができます。
そして、すぐに私は北海道に行ったのです。
アメリカには住み続けることはできませんが、北海道なら住み続けることができるからです。
北海道の親戚の家での生活ですが、ほぼアメリカに行った時と環境も生活もあまり変わらない生活をしていました。
親戚の家族は昼間は仕事にでかけていますので、家には私しかいません。
そのため、アメリカのホテル住まいとほぼ同じような生活を送っていました。
ちょうど札幌雪まつりの時期だったため、雪まつりを見るために、外出したりしましたが、それ以外の時間は、ほとんど部屋にいました。
また、親戚の家族に気を遣うこともなかったため、ストレスはほとんどありません。
そのため、アメリカとほぼ同じような環境で転地療法の検証をすることができたのです。
それでは、北海道に滞在して、アトピーは改善することができたのでしょうか?
残念ながら、10日経っても、一向にアトピーの症状が改善する気配はありませんでした。
アメリカ西海岸の場合、10日間も滞在すれば、皮膚はかなり綺麗になります。
もし、実家のストレスがアトピーの原因の場合は、北海道でも皮膚が綺麗になるはずです。
この結果から考えても、私がアメリカ西海岸に行くことで、アトピーの症状が消えるのは、ストレスが原因ではなかったのです。
また、転地療法でアトピーの症状が消える事も、ストレスが原因ではなかったのです。
アトピーとストレスの関係
ストレスがアトピーの原因ではなかった事は、私の体験から考えると関係がない事が分かりましたが、アトピーの症状は人それぞれ違います。
また、ストレスを軽減することで、アトピーの症状が改善する方も実際に多いです。
それでは、アトピーの原因はストレスなのでしょうか?
この点について、日本の歴史とアトピーの関係を検証してみます。
まず、日本でアトピーの患者が増え始めたのは、1965年以降になります。
それまでは、ほとんどアトピーの症状が日本人に出ることはなかったのです。
それでは、1965年まで、日本人はストレスのない生活を送っていたのでしょうか?
そのような事はありません。
特に、戦争中や戦後は、ストレスだらけの生活を送っていたと思います。
いつ空襲があるのか分からない。
食べ物がいつ手に入るか分からない。
疎開先では周囲の人に気を使いながら生活をしないといけない。
このようにストレスだらけの生活を送っていても、アトピーになる人はいなかったのです。
また、いつ死ぬか分からない状況に置かれている兵隊さんは、もっと強度の高いストレスがかかっていたはずです。
それでも、兵隊さんにアトピーの症状はでなかったのです。
また、それよりも昔の話になると、年貢の取り立てで、百姓さんはストレスだらけの生活を送っていた時代もありました。
それでも、百姓さんにアトピーの症状はでなかったのです。
また、一揆が多発していた時代もありました。
一揆はストレスが爆発した状態とも言えますので、いつの時代も大きなストレスを抱えて、日本人は生きていたのです。
さらに大昔になると、狩猟の時代になります。
毎日が生きるか死ぬかの戦いになります。
また、現代のようにスーパーなどで食べ物を買うこともできないため、食べ物が長期間手に入らない時もあります。
生きること自体が大きなストレスだったはずです。
それでも、1965年まではアトピーになる人はほとんどいませんでした。
ストレスは1965年以降になってから、ストレスの強度が高くなったのではありません。
日本人は、ストレスとともに歩んできたのです。
それでも、アトピーになる人は1965年まではいなかったのです。
過去の歴史を振り返ってみても、アトピーの原因がストレスではないのです。
また、ストレスは人間だけではなく、すべての生き物に共通していることです。
野生動物は、いつ死ぬか分からない状況で生きていますので、常にストレスと戦って生きています。
ストレスがアトピーの原因の場合は、アトピーの症状がでる野生の動物もたくさん存在するはずです。
しかし、アトピーの症状がでるペットはいますが、アトピーの症状がでる野生の動物はいません。
まとめ
ストレスがアトピーの原因とよく言われていますが、人類はストレスと共に歩んでいます。
人類が誕生した頃から、人類はずっとストレスと共に、生きてきたのです。
アトピーの原因がストレスの場合、大昔からアトピーの症状がでる人は一定の割合で存在をしていたはずです。
しかし、日本では1965年までは、アトピーの人はいませんでした。
これは、世界的にも状況は同じです。
大昔から「奴隷制度」はありましたが、強大なストレスを受けている奴隷でも、アトピーが発症することはなかったのです。
この事から、アトピーの原因はストレスではないと断言できます。
ただし、ストレスで痒くなる事は確かです。
「痒くなる原因」と「アトピーの原因」は違うのです。
「痒くなる原因」はたくさんありますが、ほとんどが「アトピーの原因」とは関係ありません。
しかし、「痒くなる原因」を「アトピーの原因」と勘違いされている方が多いのが現状です。
ストレスは「アトピーの原因」ではありませんが「痒くなる原因」の1つです。
その点は間違えないように、注意して下さいね。
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