こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
痒みを抑制する薬の1つに「抗ヒスタミン剤」があります。
それでは「ヒスタミン」が痒みの原因なのでしょうか?
このページでは「痒くなるのは「ヒスタミン」が原因なの?」という質問に対して、私の体験談を交えながらお答えしていきます。
ヒスタミンが痒みの原因?
アトピー性皮膚炎の痒みは「ヒスタミン」が起こすという説があります。
そのため、ステロイド剤の代わりに、かゆみ止めとして「抗ヒスタミン剤」を処方しているお医者さんもあります。
それでは、実際の所、抗ヒスタミン剤を使うと痒みは止まるのでしょうか?
私は20年ほど前に数回使用した事がありますが、抗ヒスタミン剤を塗っても、ステロイド剤のように痒みが止まる事はなかったため、それ以降は一度も使っていません。
つまり、抗ヒスタミン剤を塗っても、かゆみ止めの効果は全くなかったのです。
それでは、他の人はどうなのだろう?
と疑問に思い、インターネットで検索して調べてみたところ、「抗ヒスタミン剤」にかゆみ止めの効果がないのは、アトピー性皮膚炎のかゆみはヒスタミンを介さない事が多いためとの説明がありました。
現在でもヒスタミンが痒みの原因と考えているお医者さんは多いですが、最新の医学では、アトピー性皮膚炎の痒みはヒスタミンではない事が明らかになっているみたいです。
これは、抗ヒスタミン剤が全く効かなかった私の体験とも一致します。
それでは、ヒスタミンが原因ではない場合、何が痒みの原因なのでしょうか?
末梢神経が痒みの原因?
インターネットで検索してみた結果では「抹消神経」が痒みを引き起こしているという説がありました。
アトピー性皮膚炎の症状がでている場合、末梢神経が皮膚表面に近いところまで伸びてきているため、この末梢神経が原因で痒みが起きると考えられているみたいです。
ただ、この場合は、もう一つの説と矛盾します。
それは、以前は「痒みは痛みの弱いもの」と考えられていましたが、最新の医学では「痒み」と「痛み」は別の神経であるという考え方が主流です。
もし、痛みと痒みが同じ神経の場合、胃や腸でも痒みが起きるはずですが、実際の所は皮膚以外で痒みが起きることはありません。
そのため、痒みを脳に伝える神経は、痛みとは別にあるとされているのです。
「痒み」と「痛み」が別の神経の場合、末梢神経は「痒み専用」ということになりますが、末梢神経は「痛み」を感じる事ができる神経です。
この点から考えると、末梢神経が「痒み」を起こすことはないと考えられます。
末梢神経が痒みを起こしているという説は「痒みは痛みの弱いもの」と考えられていた時代の説になりますので、現在の医学では「末梢神経」は痒みの原因ではありません。
神経線維が痒みの原因?
「痒みの原因」について、調べていたところ、順天堂大学環境医学研究所のホームページにたどり着きました。
そして、痒みの原因は「表皮内の神経線維」であると言う説明がありました。
順天堂大学環境医学研究所のホームページから引用します。
実は表皮の中にはかゆみを感じる神経線維が存在します。昔は痛みを感じる神経とかゆみを感じる神経は同一のものであり、刺激が弱ければかゆみに、強ければ痛みになると考えられていました。しかし現在では、かゆみは痛みとは別の神経経路を伝わる独立した感覚だと判明してきました。
そこでアトピー性皮膚炎や腎臓透析の患者さんの皮膚を調べたところ、健常者に比べてはるかに多くの神経線維が表皮内に分布していることがわかりました。神経線維がバリアが壊れている角質層直下まで伸びてくると、わずかな刺激でかゆみを感じてしまいます。
神経線維の末端にはかゆみを感じるさまざまなレセプターが存在します。ヒスタミンが結合するレセプターは、神経の末端に数多くあるレセプターのうちのごく一部。ですからヒスタミンのレセプターだけブロックしても、かゆみは止まりません。抗ヒスタミン薬が効かない理由がこれで解明できました。
いろいろなホームページの記事を読みましたが、恐らく、これが最新の医学の研究結果だと思います。
つまり、最新の医学では、痒みの原因は「神経線維」と考えられているのです。
まとめ
今回、痒みの原因について、かなり調べましたが、最新の医学では「ヒスタミン」が原因ではない、という結論になっている事が分かりました。
ただ、現在でも「ヒスタミン」が原因と考えているお医者さんや「痛みと痒みが別の神経である」という事を知らないお医者さんも多い事も分かりました。
これは、昔勉強した知識を最新の医学の情報にアップデートできていないお医者さんも多いということです。
そのため、病院によっては、今でも抗ヒスタミン剤を出している所もあると思いますし、治療にはかなり差があると思います。
病院に行く時は、前もって病院の治療方法などをホームページなどで調べてから行く方がいいかもしれませんね。
ちなみに、新鮮ではない赤みの魚には、ヒスタミンの含有量が多いため、食べると痒くなる場合があります。
免疫細胞からヒスタミンが分泌されることは痒みの原因ではありませんが、ヒスタミンの含有量が多い魚を食べることは、痒みの原因になります。
新鮮な魚はヒスタミンの量が少なくなりますので、赤身の魚を食べるときは、できるだけ新鮮な魚を食べるようにして下さいね。
スーパーに閉店間際に行くと「半額」のシールが貼ってあることがあり、安さにつられて買ってしまいがちですが、新鮮ではない魚は「痒み」の原因になりますので、注意が必要です。
コメント