こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピー性皮膚炎の原因は「ウィルス」という説があります。
それでは、本当にアトピー性皮膚炎の原因は「ウィルス」なのでしょうか?
このページでは「アトピーはウィルスが原因なの?」というご質問にお答えしていきます。
アトピーの原因が「ウィルス説」について
私はアトピー研究家ですので、アトピー性皮膚炎に関する本はかなりたくさん読んでいます。
その中でも「アトピーが治った!」(西原克成著)の書籍では、ミトコンドリアの視点からアトピーの原因について書いてありますので、特に印象に残っています。
西原先生は「アトピーの原因はウィルス」と断言されています。
「アトピーが治った!」の16ページの一部を引用します。
アトピー性皮膚炎とは腸内の細菌やウィルスが、腸が冷やされたことにより、自動的に白血球内に取り込まれ、この細菌に汚染された白血球が、皮下組織の細胞群に細菌をばらまいて細胞内感染症を起こした状態です。
細胞内のミトコンドリアよりも多くの細菌が入り込むことで、激しいかゆみをともなった湿疹などの症状が出るのです。
ミトコンドリアからの視点は本当にユニークで、ウィルスが原因とは考えたこともなかったため、私はこの本を何度も繰り返し読んで、「ウィルスが原因」かどうかについて、何年もかけて、何度も何度も検証を繰り返しました。
それでは、「アトピーの原因はウィルス」なのでしょうか?
私の検証結果についてお伝えしたいと思います。
口呼吸とアトピーについて
西原先生が一番強く訴えていたのは「口呼吸」をすると、ウィルスを大量に吸い込むため、アトピーが悪化するという事でした。
鼻呼吸では、鼻の奥にあるリンパ組織が、アレルゲンなどが肺に入ることを防いでくれますが、口呼吸をすると、ウィルスなどがそのまま肺に入るためです。
そのため、書籍の中で「鼻呼吸を意識してしないといけない」と書いてあります。
しかし、この最初の部分から私は壁にぶつかってしまいました。
私は口呼吸をすることはほとんどないからです。
起きている時は、常に鼻呼吸をしています。
寝ている時もいびきはかきませんし、ふと目が覚めた時も口は閉じていますので、寝ている時も鼻呼吸をしています。
この疑問点については、46ページに解説がありましたので、その一部を引用します。
口呼吸をしている人の多くは、無意識のうちにしているため、自分が口呼吸だと自覚していないのです。意識して、鼻呼吸にしていきましょう。
西原先生が診断されているアトピーの患者様でも、私のように、口呼吸をせずに、鼻呼吸をしている方も多かったのだと思います。
そのため、鼻呼吸をしている方の多くは、無意識の時は「口呼吸」をしているという結論になったのだと思います。
無意識の口呼吸について
確かに、起きている間は鼻呼吸をしていても、寝ている間などの「無意識」の時は、口呼吸をしている可能性があります。
そのため、「口を閉じるテープ」を買って確かめてみました。
「口を閉じるテープ」をすぐ剥がれるように「軽く」貼ってから寝たのです。
もし、無意識に口呼吸をしているのなら、口を開けようとした時に、テープが剥がれますので、起きた時にテープが剥がれているかどうかで、寝ている間に口呼吸をしているかどうかが分かります。
その結果ですが、何回試してみても、起きた後も、テープはそのままでした。
つまり、寝ている間も、鼻呼吸だったのです。
寝ている時は鼻呼吸をしている事が分かりましたので、あとは起きている間に、無意識のうちに口呼吸になっていないか、何度も何度も検証を繰り返しました。
「口を閉じるテープ」をすぐ剥がれるように貼って、自宅で一日を過ごしました。
しかし、食事の度にテープを剥がさないといけません。
無意識のうちに口呼吸をしようとした場合、その時にテープが剥がれますが、自宅にいる時で口を開けるのは食事の時だけだったのです。
つまり、食事以外の時はずっと口を閉じていたのです。
そのため、起きている時でも無意識の状態で「口呼吸」をしている事はなかったのです。
ただ、3月の花粉症の時期は鼻が詰まった時に、口呼吸になる場合もあります。
しかし、この場合は鼻が詰まって苦しくなるため、無意識ではなく、意識的に口呼吸をしています。
そして、鼻づまりが治れば、口呼吸に戻りますので、一時的にしか過ぎません。
私自身の検証では、無意識の状態では常に鼻呼吸で、意識的に行わない限りは口呼吸にはなりませんでした。
激しいスポーツとアトピーについて
もう1点、西原先生が強調されていたのが、激しいスポーツをすると、口呼吸になるため、激しいスポーツは「アトピーの悪化の原因になる」とも書いてありました。
西原先生は「スポーツによる弊害ははかりしれない」と口呼吸をしなければいけないほどの激しいスポーツを否定されています。
私は今までたくさんの健康関係の本を読んでいますが、西原先生に限らず「激しいスポーツ」を否定されている先生は多いです。
西原先生は「口呼吸」という視点から否定されていますが、その他の先生は「活性酸素」という視点から否定されている場合が多いです。
中には「活性酸素がアトピーの原因」と主張されている先生もいます。
それでは、実際に「激しいスポーツ」をすると、アトピーは悪化するのでしょうか?
実は、私は健康関係の本をたくさん読んでいたこともあり、アトピーが完治していた15年間は、ジムに通うこともなく「激しいスポーツ」は一切していませんでした。
しかし、アトピーが再発したのです。
また、アトピーの症状がある方は「激しいスポーツ」をされていない方の方が圧倒的に多いです。
そのため、「激しいスポーツ」をするからアトピーになるかというと、そうではありません。
そして、ここからが本題になりますが、私の経験では、激しいスポーツをすることによって、アトピーは全く悪化していないどころか、治った場合もあるのです。
今は、スピンバイクジムに通っていて、かなり強度の高いレッスンを受けていますので、心拍数が150を超えると、口呼吸になりますが、それでもアトピーは悪化していません。
また、高校生の時は、陸上部に入り、長距離を走っていましたので、長時間口呼吸をしていた時も多かったですが、陸上部で運動を始めてからは、アトピーの症状が消えて、綺麗な皮膚になったのです。
つまり、口呼吸をしていた時に、アトピーが治ったのです。
私自身のケースでは、先生の主張と全く逆になっています。
それでは、他の方はどうかというと、学校の運動系のクラブ活動を始めた事によって、アトピーが発症したという方を見たことがありません。
逆に、クラブ活動を辞めたことによって、アトピーが悪化する方はいます。
医学的には、激しいスポーツはアトピーを悪化させるという事が通説になっていると思います。
しかし、実際には「激しいスポーツ」で私のように、アトピーが改善する場合もあります。
「激しいスポーツ」をすると身体には大きな負担がかかりますので、確かに身体に良くない点もあるかもしれません。
しかし、アトピーが改善する場合があることを考えると、身体に良い面もあるのです。
口呼吸がアトピーの原因なの?
私は外を歩いている時は、アトピーの方をいつも一瞬でチェックをしていますが、アトピーの症状がかなり強く出ている方でも、口を開けている方を見かけた事がありません。
西原先生の本では、アトピーの方は全員が口呼吸をしているような書き方をされていたのですが、私のチェックでは、口呼吸をしているアトピーの方を見かけることはできませんでした。
ただ、これは私のチェックなので、人数が限られています。
そのため、他の要素で検証してみたいと思います。
口呼吸の方は突然増えたの?
昭和や平成時代に口呼吸をしている方がいるということは、江戸時代や明治時代や大正時代でも、口呼吸をしている方が同じ割合でいたはずです。
また、一昔前は飛脚などの激しい運動を伴う仕事の人も多かったと思います。
しかし、口呼吸を長時間している方でも、1965年まではアトピーにならなかったのです。
口呼吸がアトピーの原因という場合は、ずっと昔からアトピーの方がいた事になりますが、実際は1965年から増え始めています。
1965年から口呼吸の人が増え始めたという場合は、口呼吸とアトピーの関係はあるかもしれませんが、西原先生の書籍の中でも、そのデータは掲載されていませんでした。
この点からは、アトピーと口呼吸の関連性はなさそうです。
赤ちゃんの口呼吸について
赤ちゃんは口呼吸が苦手なので、鼻呼吸しかしていません。
しかし、鼻呼吸しかできない赤ちゃんの時からアトピーを発症しているケースは多いです。
ちなみに、私も生後数ヶ月でアトピーが発症しています。
つまり、鼻呼吸しかできない時からアトピーが発症しています。
鼻呼吸しかできない赤ちゃんの時でもアトピーが発症するという事は、口呼吸をしていなくても、アトピーが発症するということになります。
この点からも、アトピーと口呼吸の関連性はなさそうです。
口呼吸を辞めるとアトピーが改善するの?
アトピーの原因がウィルスが原因であるならば、先生が主張されている通り、「口呼吸」や「腸を冷やす生活」や「エアコンで身体を冷やすこと」がアトピーの原因になります。
しかし、上記で説明をした通り、「口呼吸とアトピー」に関しては、直接関係はありません。
「腸を冷やす生活」や「エアコンで身体を冷やすこと」は免疫力を低下させ、ウィルスを増やしてしまいますが、アトピーとの関係については、下記の記事に書いている通りです。
エアコンを使うとアトピーは悪化するの?
「冷蔵庫の普及」がアトピーの原因なの?
ただ、口呼吸をしている方が鼻呼吸に変えると、アトピーの症状が改善される場合はあると思います。
口呼吸をしている方が鼻呼吸をすると、鼻の奥にあるリンパ組織が、アレルゲンなどを肺に入ることを防いでくれるため、身体の負担が大幅に減るからです。
また、ウィルスが肺に入ることを防ぐということは、アトピーの症状の有無だけではなく、感染症対策にも非常に重要です。(もちろん、新型コロナウィルス対策にも有効です。)
そのため、もし、口呼吸をしているという自覚がある方は、意識して口呼吸を辞めた方がいいと思います。
ただ、常時鼻呼吸をしていても、アトピーの症状がでている方も多いので、口呼吸を辞めたからといっても、アトピーの症状が改善されるかどうかは、実際に試してみないと分かりません。
また、身体の負担を減らしてアトピーが改善したとしても、あくまでも対症療法に過ぎません。
身体の負担が増えると、状態が悪化するからです。
根本的にアトピーを治していくためには、身体の負荷が増えても耐えられる身体作りをしないといけないのです。
まとめ
西原先生の書籍を読むと、ほとんどのアトピーの方が鼻呼吸で治ったような印象を受けてしまいますが、実際には、アトピーの方でも口呼吸をしている人自体が少ないと思います。
また、口呼吸を辞めたからアトピーが治ったという方を私は誰も知りません。
これは、もともと口呼吸をしていない方が多いからだと思います。
西原先生の「ウィルス説」は、他の先生は誰も言及していない斬新な説でしたので、数年間かけて「ウィルス説」について、たくさんの検証を繰り返してきました。
この記事では書いていませんが、殺菌消毒薬を使った検証もしています。
残念ながら、こちらも効果はありませんでした。
最終的には、西原先生の「ウィルス説」を否定する結果になってしまい、西原先生には本当に申し訳ないのですが、何年もかけて、検証を繰り返した結果ですので、ご了承お願い致します。
ただ、「口呼吸」も「腸を冷やす生活」も「エアコンで身体を冷やすこと」も健康には良くないことは確かです。
アトピーの原因とは直接関係はありませんが、もし、ご自身に当てはまる場合は、口呼吸を辞めたり、冷たいものの飲食を辞めたり、エアコンで身体を冷やさないようにすれば、身体の負荷が減りますので、アトピーが改善する場合も多いと思います。
寝ている間に口呼吸になっているかどうかを調べる方法は、寝る前に、すぐ剥がれるように、口の上に「軽く」テープを貼っておくと分かります。
テープは包帯を止める時に使うテープを使えば、皮膚の負担も少ないです。
(ドラッグストアや100均などで購入できます。)
もし、口呼吸をしている場合は、起きた時にテープが剥がれているはずです。
簡単にチェックできますので、是非、試してみて下さいね。
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