こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
このページでは「弱いステロイド剤を使い続けるより、強いステロイド剤を短期間使った方がいいの?」という質問にお答えしていきます。
ちなみに、このブログは「薬に頼らずに治したい方」や「薬を減らしていきたい方」を対象に書いていますが、ステロイド剤を否定している訳ではありません。
また、ステロイド剤を使いながらでも、アトピーの原因療法も一緒に行えば、ステロイド剤の量を減らすことができ、最終的には薬を使わなくても、症状がでない身体になります。
強いステロイド剤を使うとどうなるの?
ステロイド剤の使い方ですが、最近は「弱いステロイド剤を使い続けるより、強いステロイド剤を短期間使って、一気に炎症を抑えた方がいい」という使い方を勧めているお医者様が増えています。
以前は、できる限り、強いステロイド剤を使わない。という考え方が主流でした。
それではなぜ、「強いステロイド剤を短期間使う」という処方にシフトしてきたのでしょう?
「強いステロイド剤から弱いステロイド剤に切り替える」という使い方は、私が患者として、22歳の頃に経験しましたので、その経験談をここでお伝えしたいと思います。
私が22歳の頃、アトピーの症状がかなり悪化してしまい、寝たきりになったことがあります。
顔はお化けみたいに真っ赤なので、誰とも顔を合わせる事はできませんし、外気に触れるだけでも顔が痛いので、外を出歩くこともできません。
もちろん、顔だけではなく、手や足、お腹など全身にも症状がでています。
じゅくじゅくした状態の所と乾燥した状態の所があり、身体を動かしただけでも、痛みが走ります。
アカギレのような症状の所は、動くと皮膚が裂けますので、むやみに動くこともできませんでした。
何もできないため、ほとんど部屋に閉じこもっていました。
当時は実家に住んでいたので、母親が作った料理を食べていました。
もちろん、身体に悪い食べ物は一切食べていませんし、お菓子も食べていません。
寝たきりで運動もしていないので、少食です。
アトピーが悪化している原因が全く分からないのです。
しかし、何ヶ月も、部屋に閉じこもっていると、将来が不安になります。
一生、部屋に閉じこもっている訳にもいかないですし、両親もずっと生きている訳ではありません。
当たり前の事ですが、働くことができる身体にならないといけないのです。
そこで、仕方なく、子供の頃に何度か行った事がある近所の皮膚科に行きました。
すると、そのお医者様に本当に気持ち悪がられました。
顔はお化けみたいになっていたので、仕方がないことですが、相手は皮膚科のお医者様です。
悪化している皮膚を診断するのがお仕事のお医者様なのです。
その態度に腹が立ったので、今でもそのお医者様の顔をはっきりと覚えているほどです。
そして、かなり強いステロイド剤を注射されました。
今から思えば「弱いステロイド剤を塗り続けるよりも、強いステロイド剤を使った方がいい」という考えの先生だったのだと思います。
もちろん、注射なので、塗るよりもずっと強い効果がでます。
その結果、どうなったのでしょう?
翌日には本当にびっくりする位、症状が一気に引いていったのです!
「これで治ったらいいなぁ~」と少しだけ期待をしましたが、やはり、ステロイド剤の効果は、子供の頃と全く変わりませんでした。
注射の2日後からは、徐々に症状が悪化していったのです。
つまり、注射で症状を抑えることができたのは、たった1日だけだったのです。
その後、もう一度、その皮膚科に行きましたが、ステロイド剤をもらって塗りました。
その時は、皮膚がかなり綺麗になっていたため、もらったステロイド剤は弱いステロイド剤だったと思います。
注射の3日後に塗った時は、少し効きましたが、その次の日からはほとんど効かなくなりました。
痒いときに塗っても、数時間すれば、すぐに痒くなるのです。
そして、注射の一週間後には、弱いステロイド剤を塗っても全く効かなくなったのです。
つまり、弱いステロイド剤では痒みを抑える事すらできなくなったのです。
もちろん、また注射を打つなど、強い薬を使えば、一時的に症状は改善するかもしれません。
しかし、最強の薬が効かなくなれば、今後、症状を抑えることはできなくなります。
それだけではありません。
強い薬を何度も使うと言うことは、薬の副作用がでてくる危険性が高まります。
最強の薬を使って効かなくなった場合、「アトピー+薬の副作用」に悩まされることになるのです。
アトピーだけでも苦しいのに、薬の副作用まで加わると、社会復帰が難しくなります。
そのため、私は2回、その皮膚科に行きましたが、その後は行っていません。
皮膚科の先生が強いステロイド剤を使う理由
私を診断した皮膚科のお医者様は、私の事をどのように思ったのでしょう?
ここでは、お医者様の立場で考えてみたいと思います。
気持ち悪いほど皮膚の状態が悪化した患者様がやってきました。
この患者は弱い薬では効かないから、強い薬を使わないといけない。
塗り薬だと効果がでるのに時間がかかるから、注射にしておこう。
そして、注射の2日後。
あれだけ気持ち悪かった皮膚が、綺麗な皮膚になっている!
やはり、強い薬を注射した事は大正解だった。
弱い薬を渡していれば、効かなかったかもしれないし、長期間、辛い症状で苦しませてしまったかもしれない。
しかし、今は綺麗な皮膚になったので、もう強い薬は必要がない。
私はこの患者を「強い薬」で助ける事ができた。
これからは、弱い薬で大丈夫だろう。
一週間分くらい出しておこう。
そして、1ヶ月後。
そういえば、皮膚が綺麗になったあの患者はもう来なくなったなぁ~。
皮膚が綺麗になったので、もう薬を塗らなくても良くなったに違いない!
強い薬を使って一気に症状を抑え、それからは弱い薬を出せば、アトピーは治る。
あれだけ悪化していた患者さんでも治ったのだから、この方法を使えば、ほとんどの患者さんは治るといっても間違いはないはず。
私の治療法で間違いはなかったので、これからも強い薬を最初に使い、その後は弱い薬を使っていこう。
実際は、皮膚科の先生が信用できなくなり、患者が来院しなくなった場合でも、皮膚科の先生は「悪化していれば薬をもらいにくるはず。来院しなくなったのは、私の治療でアトピーが治ったから。」と思い込み、皮膚科の先生の頭の中では、ステロイド剤を使った治療で患者が治った事になっているのです。
皮膚科の先生が強いステロイド剤を使う理由は、強いステロイド剤を使った後に、弱いステロイド剤を使えば、アトピーが治ると本気で思っているからなのです。
お勧めの薬の使い方は?
上記で私の経験とお医者様の立場を両方書きました。
お医者様が「弱いステロイド剤を使い続けるより、強いステロイド剤を短期間使った方がいい」と勧める理由は、強いステロイド剤を使って症状を一気に抑えれば、患者さんが苦しむ期間を短くすることができるため、患者さんのためを思って処方しているのです。
そして、弱いステロイド剤に切り替えると、いつの間にか、患者さんは来なくなります。
皮膚が綺麗になったため、弱いステロイド剤も必要なくなり、患者さんが来院しなくなったとお医者様が勘違いをしてしまうのです。
これは、皮膚科のお医者様が悪いわけではありません。
お医者様は忙しいですし、電話では診察料をもらえませんので、来院しなくなった患者さんに、電話をかけて、その後の様子を調査している訳ではないからです。
そのため、1000人の患者さんがいて、900人が来院しなくなれば、90%の人に効果があったという結果になるのです。
しかし、実際の所、ほとんどの患者さんは私と同じように、処方されたステロイド剤を塗っても、徐々に効果はなくなっていきます。
塗っても効果がなければ、最終的には塗らなくなります。
そして、そのお医者様の皮膚科には行かなくなります。
その後は、他の病院に行ったり、民間療法を試したりと、いろいろなパターンに分かれていくのです。
「強いステロイド剤を短期間使い、その後は弱いステロイド剤に切り替える」という方法は、お医者様の立場で考えると、ほとんどの方が治っている治療法になります。
しかし、実際の所は、弱いステロイド剤に切り替えて効果がでるのは数日間しかありません。
それ以降は、強いステロイド剤に移行しないと、痒みも抑えることができないのです。
強いステロイド剤を短期間使ってから、弱いステロイド剤に切り替えても、弱いステロイド剤を長期間使っても、どちらにしても、時間が経てば、弱いステロイド剤は効かなくなっていきます。
そして、ステロイド剤を長期間塗り続けると、副作用がではじめるため、「アトピー+薬の副作用」に悩まされることになるのです。
「1日だけどうしても症状を抑えたい」という時は、前日に強いステロイド剤を使ってもいいと思います。
しかし、強いステロイド剤の効果は長くても2~3日に過ぎません。
私の場合は、1日しか症状を抑えることができませんでした。
そして、何度も使う事ができません。
強いステロイド剤を何度も使うと、強いステロイド剤が効かなくなるからです。
強いステロイド剤は、年に数回しか使う事ができない「特効薬」なのです。
「特効薬」はいざという時のために、とっておきたいですよね。
何度も強いステロイド剤を使っていると、どうしても症状を抑えたい時に、抑える方法がなくなってしまいます。
そのため、通常は短期間でも強いステロイド剤は使わない。
薬を使う時は、できる限り弱いステロイド剤を少量使う。
そして、どうしても症状を抑えたい日だけに、強いステロイド剤を使う。
というのが、私の経験上、一番お勧めの方法になります。
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