こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
このページでは「アトピーとタンパク尿」についてお伝えします。
アトピーの方は尿検査で「タンパク尿」と診断される方が多いです。
ご多分に漏れず、私も尿検査ではいつも「タンパク尿」で引っかかっていました。
しかし、タンパク尿がでたからと言っても、どこかが痛くなるわけでもなく、痒くなるわけでもなく、無症状です。
とは言え、タンパク尿の症状が進むと、病院では「透析が必要」と診断される場合もあるそうです。
それだけに「タンパク尿」があると気になりますよね。
タンパク尿についてネットで調べると、タンパク尿に関して説明しているページはたくさんありますが、アトピーの症状と関係がない症例も多いですし、なんと言っても専門用語が多いために、健康に詳しくない方は、理解がしずらいかもしれません。
それでは、ここでアトピーの方がタンパク尿になる理由を分かりやすくお伝えしたいと思います。
タンパク尿について
タンパク尿はその名の通り、「タンパク質」がまじった尿の事です。
しかし、通常、タンパク質は、尿の中に含まれません。
その理由は「尿」からタンパク質がでてしまうと、身体の中のタンパク質が足りなくなってしまい、新陳代謝ができなくなってしまうからです。
特に、子供の頃は、身体を大きくしていくために、大量のタンパク質が必要です。
大人になってからも、身体を維持するために、大量のタンパク質が使われています。
水分を除けば、約半分がタンパク質でできていますが、年齢を問わず、身体にとって、いつでもタンパク質は大量に必要なのです。
それでは、なぜ、尿にタンパク質が混じってしまうのでしょうか?
「尿」は血液から作られています。
血液が腎臓の毛細血管を通る時に、毛細血管にある小さな穴から、身体に不必要なものがでていくことで「尿」が作られるのです。
そして、その小さな穴は、タンパク質を通すことができないほど小さいため、通常は「尿」にタンパク質が混じる事がありません。
しかし、その毛細血管の穴が、何らかの原因で大きくなると、タンパク質がその穴を通り抜けてしまい、「タンパク尿」になるのです。
タンパク尿が病気ではない場合について
タンパク尿が出る場合、「腎臓に問題がある」と考えられていますが、タンパク尿がでるのが正常な場合もあります。
この事に気がついたのは、プロテインを毎日飲んでいた時のことです。
皮膚を治すためには、皮膚の原料であるタンパク質が必要。
だから、タンパク質を大量に採れば早く治るのでは?
という仮定の元で、プロテイン(タンパク質)を1日3回飲んでいた時期がありました。
実際、タンパク質の大量摂取を勧めている医師も多いですし、糖質制限に関する書籍などは、すべてタンパク質の大量摂取を勧めています。
その時、いつも尿が泡立っている事に気がついたのです。
つまり、検査をしなくても、尿を見るだけで分かるほど、タンパク質が大量に尿に漏れていたのです。
これは、明らかに「タンパク質の大量摂取」が原因です。
タンパク質の摂り過ぎで、血液中のタンパク質の濃度が上がりすぎたため、尿でタンパク質を排泄しているのです。
調べてみたところ、アトピーの症状のあるなしに関わらず、プロテインを飲んでいる人は「タンパク尿」になっている人が多いことが分かりました。
これは、明らかに「病気」ではなく「正常」な状態です。
濃度が高すぎるタンパク質を排泄するために、腎臓の毛細血管にある尿を作るための穴を、タンパク質が通れるように調節したのです。
また、プロテインを飲むのを辞めると、尿の泡立ちも少しずつなくなっていきました。
この場合は、血液中のタンパク質の濃度が下がっていくにつれて、タンパク質の排泄する量を減らすために、腎臓の毛細血管の穴を少しずつ、小さくしていったのだと思います。
タンパク質の大量摂取をした場合、タンパク尿になる場合がありますが、タンパク質を大量摂取した場合は、血液中のタンパク質の濃度が高くなったために、身体が濃度を調整しているだけですので、この場合は、正常な反応なので、全く心配はありません。
プロテインを飲むのを辞めるなど、タンパク質の摂取量を減らせばいいだけです。
ただ、タンパク質の摂取量を減らしても、タンパク尿が減らない場合は、腎臓に問題が発生している可能性があります。
アトピーとタンパク尿について
ここでは、アトピーとタンパク尿の関係についてお伝えしたいと思います。
アトピーの方は、タンパク質を大量摂取していなくても、タンパク尿になる場合が多いです。
実際に私はプロテインを飲んでいなくても、お肉をほとんど食べていなくても、検査でタンパク尿と診断されたことが何度もあります。
それはなぜでしょうか?
その理由は、消化器官が弱っているからです。
消化器官が弱っていると、タンパク質を完全に消化することができません。
消化器官が正常な方は、タンパク質をしっかりと消化することができますので、ほとんどのタンパク質をアミノ酸やペプチド(アミノ酸の集合体)まで分解することができます。
しかし、消化器官が弱っていると、タンパク質のまま、小腸で吸収されてしまう割合が多くなります。すると、血液中のタンパク質の濃度が上がってしまいます。
消化器官が正常な方の場合は、タンパク質のまま吸収されたとしても、絶対量が少ないため、血液中のタンパク質の濃度が上がることはあまりありません。
しかし、アトピーの方は消化器官が弱っているため、同じ食事をしていても、タンパク質のまま吸収されてしまう絶対量が多いのです。
そのため、血液中のタンパク質の濃度があがってしまい、タンパク質の濃度を下げるために、毛細血管の穴を拡張して、タンパク質を排泄しているのです。
タンパク質の摂り過ぎの場合と同じ現象です。
もちろん、消化器官が正常な方でも、プロテインを大量に摂取した場合は、タンパク質の消化が追いつかず、タンパク質のまま吸収されてしまうため、タンパク尿になります。
しかし、アトピーの方は、タンパク質をあまり採っていなくても、消化器官が弱っているために、タンパク質をしっかりと分解できず、血液中の濃度が上がってしまうため、タンパク尿になるのです。
そのため、タンパク尿を根本的に治すためには、消化器官を強くする必要があるのです。
タンパク尿は「腎臓が原因」と考えている方がほとんどだと思いますし、医学的には「腎臓が原因」の疾患になると思いますが、正常な方でも、プロテインを飲むと、タンパク尿になることから考えて、私は腎臓に問題があるのではなく、消化器官の機能低下が原因と考えています。
また、タンパク尿だからといって、特別な治し方があるのではなく、タンパク尿の治し方は、アトピーの治し方と同じです。
アトピーの原因療法をすると、皮膚だけではなく、消化器官も腎臓も良くなります。
なぜなら、アトピー性皮膚炎だから、タンパク尿がでているからです。
タンパク尿がでているから、アトピー性皮膚炎になった訳ではないからです。
タンパク尿と血尿の違いについて
前の記事では「血尿」について書きましたが、どちらも毛細血管の穴が大きくなったことが原因で「血尿」になったり「タンパク尿」になったりします。
それでは「血尿」と「タンパク尿」では、何が違うのでしょうか?
血液中の「赤血球」が尿の中に含まれると血尿になります。
しかし、タンパク尿と違い、血尿の症状がでる方はそれほど多くありません。
その理由は、赤血球の方がタンパク質よりも大きいからです。
そのため、血尿がでるということは、毛細血管の尿を作るための穴がかなり広がっているという事です。そして、その穴を小さくできないほど毛細血管が弱っているということです。
タンパク尿の場合は、タンパク質を尿として体外に排泄するために、毛細血管の穴をわざと拡張している場合がありますが、血尿の場合は、わざと拡張させていることはまずないと考えられます。
そのため、タンパク尿に関しては、それほど心配する必要がない場合も多いですが、血尿の場合は、腎臓の毛細血管がかなり弱っていると考えて、間違いがないと思います。
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