こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
身体を温めることでアトピーを改善する方法として有名なのは「温泉湯治」です。
私は20代の頃に温泉湯治を行いましたが、たった半年で8割も改善しました。
それでは、温泉湯治でアトピーが改善する理由は、身体が温まるからでしょうか?
私は5つの理由から「身体を温めたからではない」と考えています。
このページでは「身体を温めてもアトピーが完治しない5つの理由」についてお伝えしていきます。
身体を温めてもアトピーが完治しない5つの理由
温泉湯治では身体が温まる「温熱効果」によって、アトピーの症状が改善していくと説明している方が多いです。
身体が冷えている事がアトピーの原因と主張されているお医者様も多いですよね。
確かに、温泉湯治をすることで、身体の冷えがなくなり、身体が温まります。
しかし、私は長年の研究の結果、アトピーの症状が改善していくのは「温熱効果」ではないと考えています。
その理由は、下記の5つからです。
1 水道水
温熱効果でアトピーが改善する場合、水道水を使って自宅のお風呂で入浴をしても、アトピーはどんどんと改善していくはずです。
冬に寒い外から帰宅して、身体が冷え切っている時に暖かいお風呂に入ると、身体の芯から暖まりますよね。
その理由は「温熱効果」によるものです。
温泉を使わなくても、水道水のお風呂であったとしても、身体の芯から暖まることができるのです。
もちろん、水道水の温熱効果は温泉よりも効果は下がります。
それでも、身体を温めるには十分な温熱効果があるのです。
それでは、毎日数回、水道水を使った入浴で、しっかりと身体を温めていれば、アトピーは改善するのでしょうか?
アトピーの症状が軽症の場合、水道水の温熱効果だけでも、どんどんと改善していくはずです。
しかし、水道水を使った入浴でアトピーが完治したという話は聞いたことがありません。
もちろん、アトピーが改善する場合はあると思います。
それでも、温泉湯治をした時のように、明らかに皮膚の状態が改善し、痒みが消えていくというような体験談はインターネットでは見つけることができません。
また、日本人は昔から入浴の習慣があり、入浴による「温熱効果」で身体を温めてきました。
そのため、入浴をしない国の人々よりも、アトピーになりにくいはずです。
しかし、実際の所は、下記のデータを見て分かる通り、入浴をしない国の人よりも、入浴をしている日本人の方がアトピーになる率が高いのです。
アトピー性皮膚炎の有病率が高い国は?
この点から考えると、温泉湯治でアトピーが改善するのは「温熱効果」ではないと考えられます。
2 温泉の成分
日本にはたくさん温泉があります。
そして、どの温泉にも、温熱効果があります。
「身体が冷える温泉」は、どこを探してもありませんよね。
そのため、温熱効果でアトピーが改善する場合、どの温泉でもアトピーが改善するはずです。
しかし、アトピーに効果がある温泉は、限られています。
どの温泉でもアトピーが改善する訳ではないのです。
それではなぜ、効果がある温泉と効果がない温泉があるのでしょうか?
その理由は、温泉の「成分」が違うからです。
アトピーが改善するかしないかの違いは、温泉に含まれている「成分」で決まるのです。
この点から考えると、温泉湯治でアトピーが改善するのは「温熱効果」ではなく、温泉に含まれている「成分」によるものと考えられます。
3 サウナ
温熱効果を得るためには、温泉に入らなければいけないという事はありません。
サウナに入っても、温熱効果を得ることができます。
日本にもたくさんサウナの施設がありますので、サウナを体験した方も多いと思います。
それでは、サウナに毎日入ると、アトピーは改善するのでしょうか?
日本人は毎日サウナに入りませんが、フィンランド人は毎日のようにサウナに入ります。
それでは、フィンランド人は、アトピーになる人はいないのでしょうか?
この答えですが、サウナ大国のフィンランドは、アトピーの有病率が最も高い国の1つです。
毎日のようにサウナに入っていても、アトピーになるのです。
こちらも、下記のデータをご確認下さい。
アトピー性皮膚炎の有病率が高い国は?
この事から、サウナでしっかりと身体を温めても、アトピーが改善するどころか、逆に、アトピーになる人も多いのです。
4 日本の夏
日本の夏は、北海道や避暑地などを除くと蒸し暑いですよね。
そのため、日本ではわざわざサウナに行く必要がありません。
夏にエアコンを使わずに窓を閉めていれば、部屋がサウナのようになるからです。
長時間、密閉された部屋の中にいると、熱中症になるほど、高い温熱効果を得られます。
それでは、夏にエアコンを使わずに蒸し暑い部屋の中にいれば、アトピーは改善するのでしょうか?
私の実家はエアコンがありませんでした。
そのため、20歳を過ぎるまでは、夏にエアコンは使っていません。
しかし、夏にエアコンを使わなくても、アトピーになりました。
エアコンを使わずに、暑い部屋で過ごしても、私のアトピーは改善することはなかったのです。
この点から考えても、温熱効果はアトピーの改善に、それほど効果がないと考えられます。
ちなみに、冬はガスファンヒーターを使って、室温を高くして身体を冷やさないようにしていましたが、それでもアトピーが改善することはありませんでした。
5 有酸素運動
有酸素運動でも身体を温めることができます。
入浴や気温によって、外から身体を温めるのと違い、運動は内蔵から体温を上げる事ができます。
それでは、運度で身体を温めれば、アトピーは改善するのでしょうか?
私はスポーツジムにも3年以上通い、約40分間の強度の高い有酸素運動を毎日のように行っていました。
強度の高い有酸素運動を30分以上すれば、運動を終えても、すぐに身体が冷えることがないため、温泉と同じくらい運動には温熱効果があります。
しかし、3年間、毎日のように強度の高い有酸素運動をしても、アトピーが改善することはありませんでした。
運動で身体を温めたとしても、アトピーが改善するとは限らないのです。
ちなみにプロのスポーツ選手でもアトピーの方はたくさんいます。
つまり、運動で身体をしっかりと温めていても、アトピーが改善するとは限らないのです。
入浴はしない方がいいの?
温熱効果だけではアトピーが改善できるとは限りません。
その理由は、アトピーの原因は身体が冷えていることではないからです。
また、入浴をすると痒くなることが多いですよね。
それでは、入浴はしない方がいいのでしょうか?
アトピーの症状が出ている時は、身体が冷えている方が多いと思います。
その理由は、体内のエネルギーが不足しているからです。
それでは、入浴をするとどうなるのでしょうか?
身体を温めることによって、体温を上げるためのエネルギーを節約する事ができるようになります。
また、血流が良くなりますので、身体の隅々まで血液を届けることができるようになります。
すると、入浴で節約できたエネルギーを皮膚に供給する事ができる場合があります。
また、皮膚を作るための栄養素や酸素などを皮膚に供給する事もできます。
その結果、皮膚の状態の悪化を防ぐことができるようになります。
そのため、入浴はした方がいいのです。
また、原因療法を行っている時に、入浴をすると、アトピーの改善スピードを早める事ができます。
下記の記事でもお伝えしましたが、入浴は原因療法の補助療法としても有効です。
最短期間でアトピーを完治する方法
ちなみに、入浴時の痒みで皮膚が悪化しない理由に関しては、下記の記事で説明していますので、この記事も読んでみて下さいね。
アトピーの方が入浴をすると痒くなる理由
まとめ
夏に暑い部屋で過ごしても、冬は暖房で身体を温めても、3年以上もジムで有酸素運動をしても、私のアトピーの症状は改善しませんでした。
また、世界のアトピーのデータを客観的に見ても、温泉湯治でアトピーの症状が改善する本当の理由は「温熱効果」ではないと考えられます。
そのため、身体を温めても、アトピーの症状が改善するとは限りません。
ただし、悪化を防ぐことはできますので、身体を温めることは悪いことではありません。
それでは、なぜ、温泉湯治をするとアトピーの症状が改善するのでしょうか?
それは、温泉の「成分」によるものです。
アトピーに効果があると言われている温泉には、アトピーを改善するために必要な「成分」が含まれているからです。
温泉の成分でアトピーが改善する理由に関しては、下記の記事に書いています。
下記の記事も是非、読んでみて下さいね。
「温泉湯治」をするとアトピーが改善する本当の理由
ちなみに、身体が冷えたからアトピーになったのではありません。
アトピーになったから、身体が冷えるようになったのです。
・身体が冷えたからアトピーになった。
・血流が悪くなったからアトピーになった。
このように考えている方も多いですが、真実は逆なのです。
体内のエネルギーが不足することによって、アトピーが発症し、その次に身体が冷えるようになったのです。
そのため、体内のエネルギー不足を改善しない限り、いくら身体を温めても、根本的にアトピーが改善することはありません。
夏にエアコンを使わなかったり、冬は暖房や腹巻きなどで身体を温めていても、アトピーの状態が改善しないのはそのためなのです。
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