こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーに限りませんが、一度、色素沈着ができると自然に消えることはありません。
それではなぜ「色素沈着」は消えないのでしょうか?
このページでは「一度できた色素沈着はなぜ消えないの?」という質問にお答えしていきます。
色素沈着の原因について
一般的に色素沈着は皮膚の中に色素が沈着した事が原因とされています。
それでは、色素沈着はどのような時にできるのでしょうか?
ニキビ研究室のホームページから引用します。
色素沈着とは、皮膚の色に異常をきたした状態です。
皮膚の中に存在する色素が過剰に蓄積されて起こり、
目元にあらわれると茶くまとも呼ばれます。肌の色は、メラニンや血液の色が関係しています。
メラニンは紫外線や刺激から肌を守るために肌の浅い表皮層で生まれ、
やがて代謝とともに排出されます。
肌の生まれ変わりであるターンオーバーが整っているときは、
このサイクルは一定です。
しかし、肌に過度な刺激が続くことや炎症を起こすことで、
色素が過剰に産生されたり排出が遅れたりすることがあります。
その結果、皮膚内に色素が蓄積して色素沈着を招きます。さらに、肌のコンディションが乱れるとメラニンが肌奥の真皮層に移行し、
慢性化することもあります。色素沈着の原因は?ケアするための対処法・治療法を徹底解説
https://www.nikibic.net/lab/know/color/pigmentation/
短くまとめると、下記のようになります。
排出が遅れたりすると、色素沈着を招きます。
色素沈着が慢性化することもあります。
色素沈着ができる場所について
色素沈着ができている場所は、メラニン色素の色で判断できます。
日本皮膚科学会のホームページから引用します。
皮膚は上から表皮、真皮、皮下脂肪織の3層からできていますが、表皮の基底層(最下層)にはメラニン色素という黒い色素を産生するメラノサイトという細胞があります。このメラノサイトが作るメラニンが多いと皮膚の色が黒くなり、人種による色の違いの原因となっています。例えば、黒人ではメラニンが多く、白人ではメラニンが少ないという具合です。
メラノサイトは通常表皮に存在し、真皮には存在しないのですが、真皮にメラノサイトが存在することがあります。真皮にメラノサイトが存在すると、メラノサイトが作るメラニンのため、皮膚は青く見えます。俗にいう黒、茶、青アザはメラニンが部分的に増加しているもので、一般にメラニンが皮膚の深い部位に存在すれば存在するほど、皮膚は青く見え、皮膚の浅いところに存在すると茶色く見えます。またメラニンの量が多いと色が濃く見えます。皮膚科Q&A アザとホクロ
https://www.dermatol.or.jp/qa/qa21/q02.html
この説明から分かる通り、表皮の最下層にメラニン色素を産生する細胞があります。
そして、その下には、真皮層があります。
真皮層など皮膚の深い部分に存在すればするほど、皮膚は青く見え、皮膚の浅いところに存在すると、茶色く見えます。
それでは、肌の状態が乱れることで、メラニン色素が表皮の下にある「真皮層」に移行することはあるのでしょうか?
アトピーが原因の場合は、ほとんどないと考えられます。
その理由は、真皮層に移行した場合、皮膚が青く見えますが、アトピーが原因の色素沈着は赤黒い場合が多いからです。
この事から分かる通り、アトピーが原因の色素沈着は、ほとんどの場合は、表皮にできていると考えられます。
一度できた色素沈着が消えない理由
色素沈着ができる場所は、ほとんどの場合は表皮になります。
しかし、表皮は新陳代謝によって、常に入れ替わっています。
表皮にあれば、色素の下から新しい皮膚が作られますので、新陳代謝によって、どんどんと色素が皮膚表面に移行し、排泄されるはずです。
また、表皮にある場合、痒い時に思い切り掻きむしって、表皮を取り除いてしまえば、色素沈着は消えるはずです。
しかし、掻きむしって表皮を取り除いても、色素沈着が消えることはありません。
もちろん、新しく皮膚が作られる場所の下にある「真皮層」に色素が沈着した場合は、理論上、新陳代謝では消えることはありません。
しかし、上記の項目でお伝えした通り、真皮層に移行したとは考えにくいです。
そのため、色素沈着ができて消えないのは不思議ですよね。
それではなぜ、一度できた色素沈着は消えないのでしょうか?
色素沈着について、書籍やホームページなどで調べてみましたが、私の疑問が解決できる答えは見つかりませんでした。
作られた色素は、新陳代謝で上に押し上げられていくはずなのに、そのまま沈着すると説明している書籍やホームページが多かったのです。
私はこの説明には、どうしても納得できませんでした。
しかし、私の過去の体験から、その答えが分かったのです。
私は生まれつき、足に大きなシミがあります。
そして、そのシミが取れたことがあるのです。
小学生の時に、アイロンで足に大やけどをしてしまった事があります。
その時、アイロンがシミのある部分にも当たり、シミのある部分の皮膚がごっそりとなくなったのです。
現在ではレーザー治療によって、シミを取り除く事ができますが、それと同じ事をアイロンで行ったのです。
事故なので、大やけどをしてしまいましたが、母親の適切な治療によって、幸い後遺症がでることはありませんでした。
アロエをやけどした部分に貼り付けて、頻繁に取り替えるだけの治療です。
病院に行かなくても、それだけで綺麗に皮膚は治ったのです。
そして、やけどが治った後に新しく作られた皮膚はシミが消えていたのです!
レーザー治療でシミを取り除いたのと同じ状態になりました。
大やけどは二度と経験したくありませんが、シミが消えたのは不幸中の幸いでした。
これで、大きなシミから解放されたと思っていたのですが、甘くはありませんでした。
なんと、その数ヶ月後、同じ場所に同じ大きさで、またシミが復活したのです!
最初は薄かったのですが、少しずつ、色は濃くなっていき、シミは元通りに戻ったのです。
この私の体験から、分かったことは、一度できたシミは、取り除いたとしても、また同じ場所に作られるということです。
これは、シミ取りのレーザー治療でも同じかもしれないと思い、調べてみたところ、「シミを取り除いても復活した」という体験談がインターネット上で数多く見つかりましたので、一度できたシミは完全に消し去ることは難しいのです。
ちなみに、シミは色素沈着の症状の1つです。
そのため、アトピーの色素沈着もシミも基本的には同じです。
なぜ、新陳代謝で色素沈着は排泄されないのか?
なぜ、表皮を取り除いても、色素沈着は消えないのか?
その答えは、一度できた色素沈着は「形状記憶」されるからです。
そして、その状態を常に保とうとするからです。
そのため、掻きむしったり、レーザー治療などで色素を取り除いたとしても、形状記憶された状態に戻ろうとするのです。
メラニン色素を作る細胞であるメラノサイトを取り除いても、しばらくするとメラノサイトは復活します。
それ以降は再び、皮膚にメラニン色素が作られるようになるため、数ヶ月後には元通りに色素沈着が復活するのです。
これが、一度できた色素沈着が消えない本当の理由になります。
まとめ
表皮は掻きむしることで、取り除くことができます。
しかし、アトピーになった経験がない方は「表皮」を掻いて取り除くことはできないと考えている方が多いかもしれません。
掻きむしって表皮を取ることができれば、レーザー治療をする必要がありませんからね。
しかし、アトピーになると、痒くなった所は、力を入れて掻きむしれば、表皮を取り除くことができます。
その理由は、皮膚が薄くてもろくなるからです。
健康な方とは皮膚の状態が全く違うのです。
そして、掻きむしって表皮を取り除くと、白い皮膚が再生します。
白い皮膚が再生する事から考えても、表皮はしっかり取り除くことができている事が分かります。
しかし、白い皮膚が再生してしばらくすると、また元の色に戻ります。
その理由は、メラニン色素を産生するメラノサイトという細胞が復活するからです。
表皮を取り除く前の状態は「形状記憶」されているため、しばらくすると、表皮を取り除く前の状態に戻るのです。
一度、色素沈着ができてしまうと、表皮を取り除いて皮膚が白くなっても、その状態は長くは続きません。
しばらくすると、表皮を取り除く前の状態に戻ってしまいます。
色素沈着はできてしまえば、取り除くことが難しくなります。
色素沈着はできてからでは遅いのです。
そのため、色素沈着のない綺麗な皮膚を維持したい方は、色素沈着の「予防」をする事が大切になるのです。
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