こんにちは。
アトピー研究家の齋藤です。
アトピーに「温泉がいい」という事を聞いたことはないでしょうか?
アトピーに効くと言われている温泉は、たくさんありますよね。
温泉湯治は「原因療法」ではありませんが、専門家の指導を受けながら行うと、アトピーの症状は誰でも例外なく改善します。
しかし、症状が改善する「本当の理由」については、どこにも書いてありません。
このページでは、実際に温泉湯治を経験した私が「温泉湯治をするとアトピーが改善する本当の理由」についてお伝えしていきます。
「温泉湯治」を始める前のアトピーの状態について
私は温泉湯治を2年間行いましたが、その温泉湯治を始める前のアトピーの症状について、最初にお伝えしたいと思います。
私の人生の中で、一番アトピーの症状が悪化していたのは、22歳の時でした。
日に日に皮膚の状態が悪化していき、顔はいつも真っ赤で、おばけのような状態でしたので、とても人前に出ることができる状態ではありませんでした。
症状は顔だけではなく、全身に広がっていました。
少し身体を動かしただけでも、体中に痛みが走ります。
傷口からでる浸出液は、乾燥すると下着にくっつきます。
そのため、入浴をする時に下着を脱ぐだけでも、痛くて大変な作業でした。
もちろん、動くことができないため、アルバイトなどもできず、ずっと家に閉じこもっていました。
一番悪化したのは寒い冬の季節だったため、その時は何ヶ月も、コタツの中で一日中、寝ていたのです。
できることと言えば、テレビを見たりすることくらいです。
また、アトピーの悪化は、肉体的に苦しめられるだけではありません。
精神的にもどん底の状態でした。
いつまでも親の世話になる訳にもいきません。
このまま一生、仕事をせずに、部屋の中で暮らす事は不可能です。
そのため、15年ぶりに皮膚科に行きました。
しかし、その結果、15年経っても全く治療法は変わっていなかったのです。
お化けをみるような目で、お医者様には露骨に嫌がられました。
そして、お医者様はすぐにステロイド剤の注射を私に打ったのです。
もちろん、翌日からは症状が一気にひき、綺麗な皮膚になっていきました。
しかし、喜んでいられるのはやはり数日間だけでした。
3日目からは悪化していき、ステロイド剤も最初のように効かなくなります。
その結果、また元通りの皮膚に戻ったのです。
この時点で、私はお医者様に通うことを辞めました。
もし、お医者様に行けば、次のような結果になることは明らかです。
まず、前回の塗り薬よりも「強い薬」が処方されます。
その「強い薬」を塗れば、最初の3日間は効果が現れます。
しかし、それ以降は、再びステロイド剤の効果はなくなり、元の状態に戻ります。
そこで、お医者さんに診てもらえば「さらに強い薬」が処方されます。
これを繰り返すと、最後に「最強の薬」が処方されます。
そして、「最強の薬」が効かなくなれば、お医者さんは打つ手がなくなります。
ここでお医者様は「違う病院に行ってくれ」と匙を投げます。
もちろん、他の病院に行っても、同じように最強のステロイド剤を処方するだけです。
西洋医学ではアトピーの原因は不明とされていますので、病院に行っても、アトピーを治すことはできません。
そして、病院で処方されたステロイド剤を塗っていれば、ステロイド剤の副作用が強くでるようになります。
その結果、アトピーそのもので苦しむよりも、ステロイド剤の副作用で苦しむことになります。
つまり、病院に通い続けると、「ステロイド剤の副作用」で一生苦しまないといけない人生が待っているのです。
そのため、私はステロイド剤の副作用に苦しむ人生ではなく、純粋なアトピーで苦しむ人生を選んだのです。
とは言え、ステロイド剤を使わなければ、皮膚の悪化で何もできないため、寝ているしかありません。
しかし、一日中、寝ていても、アトピーが改善する事はありません。
一生、このままアトピーの状態が続くのだろうか?
ずっと、不安な日々を過ごしていたのです。
そして、「出口の見えないトンネル」にいる状態が何ヶ月も続きました。
「温泉湯治」との出会いについて
アトピーの症状が人生で最悪の状態になっていた時、アメリカの西海岸に行けば、アトピーが治る事を思い出し、親に旅費を出してもらい、2回ほどアメリカに行きました。
なぜ2回も行ったのかと言えば、帰国すればまた悪化するからです。
ただ、皮膚の状態は最悪の状態から脱したので、外を出歩いていた時に、高校の友人に出会ったのです。
私のアトピーの状態がかなり悪化しているのを見て「温泉で治るから温泉湯治をしろ!」と強く勧められました。
そして、勧められた「アトピー性皮膚炎の治し方がわかる本」(小川秀夫著)の本を購入したのです。
温泉湯治には疑心暗鬼でしたが、本を読んで「これなら治るかも?」と思ったため、親に本を渡しました。
その時は、私のアトピーを治す事が家族の最重要事項だったと思います。
そのため、すぐに、その温泉湯治をしている会社に説明を聞きに行くことになったのです。
そして、説明を受けた後、即断即決で温泉湯治を始めることになったのです。
「温泉湯治」の経過について
温泉湯治を始めると「好転反応」が起きるため、皮膚の症状が悪化するという説明を受けましたが、私の場合は、皮膚の症状が悪化することはありませんでした。
その理由は、ステロイド剤を使っていなかったからだと思います。
温泉湯治を始める場合、基本的にはステロイド剤を辞めなければいけません。
ステロイド剤を塗ることを辞めると、炎症を抑えることができなくなるため、皮膚はどんどんと悪化していきます。
これが「離脱」や「好転反応」と呼ばれている症状です。
しかし、私の場合は、ステロイド剤で痒みを抑えていませんでした。
そのため、温泉湯治を始めても、皮膚の状態が悪化することはなかったのです。
そのため、一直線で皮膚の状態は良くなっていったのです。
そして、半年が経過した頃には、8割程度まで皮膚の状態が回復したのです。
外出もできず、寝たきりの状態からたった半年で、日常生活には支障がなくなり、アルバイトにも行く事ができるようになったのです。
「温泉湯治」の改善率について
半年間で大きな効果が現れた温泉湯治ですが、続けているうちに、大きな壁にぶつかりました。
それは、温泉湯治を開始して、一年経っても、一年半たっても、それ以上の改善が見られなかったことです。
半年で8割が改善したので、あと半年もすれば完治するだろうと思っていたのですが、それから1年が経過しても、完治しなかったのです。
今だから分かるのですが、その理由は、温泉湯治をしても「アトピーの原因」はそのまま残っているからです。
つまり、温泉湯治は「対症療法」であり、「原因療法」ではないからです。
温泉湯治に限りませんが、身体を温めると、アトピーの状態は改善する場合が多いです。
そのため、「身体が冷えていること」がアトピーの原因とよく言われています。
しかし、「身体が冷えていること」はアトピーの原因ではありません。
アトピーになったから、身体が冷えているのです。
アトピーの原因を取り除くことができていないから、8割までは皮膚の状態が改善しても、アトピーの根本的な原因が足を引っ張っているため、アトピーを完治することができなかったのです。
つまり、温泉湯治の問題点は、私の経験を踏まえると、8割までしか皮膚の状態を改善できない事です。
しかし、温泉湯治で完治した人はたくさんいます。
実際に温泉湯治で完治した方の症例写真もたくさんありますし、実際に私は温泉湯治で完治した方にもたくさんお会いしています。
それでは、完治した方との違いは、どこにあるのでしょうか?
それは、完治した方は「アトピーの原因」も一緒に取り除いていることです。
インド人は「アトピーの原因」を知らないのに、誰もアトピーになりません。
これと同じで、「アトピーの原因」を知らなくても、「アトピーの原因」を取り除くことができていれば、温泉湯治をしている間に完治することができるのです。
私のように「アトピーの原因」を取り除くことができなかった場合は、「温泉湯治」を行っても完治することができず、8割の改善が上限になってしまうかもしれません。
これが「温泉湯治」で完治できる人と完治できない方の違いなのです。
しかし、完治できなくても、8割も回復すれば、仕事もできますし、日常生活でも困りませんので、社会復帰をすることができます。
また、一時的な効果しかない民間療法が多い中、例外なく誰でも、8割も回復する事ができます。
私のように、外出ができないほど悪化している方でも、社会復帰ができるほどまで回復できますので、ステロイド剤を使いたくない方には、他の民間療法よりも、温泉湯治の方がお勧めと言えます。
「温泉湯治」の効果について
温泉湯治には、大きく別けると下記の4つの効果があります。
・温熱効果
・含有成分の効果
・浮力・水圧の効果
・リラックス効果
この中でも、温熱効果には、たくさんの作用があります。
・血行促進作用
・痛みの緩和作用
・免疫力増強作用
・タンパク質修復作用
皮膚を修復するためには、皮膚に血液を届けないといけませんし、皮膚はタンパク質でできていますので、タンパク質修復作用も必要です。
また、温泉に含まれる含有成分によって、身体が冷めにくくなります。
そのため、身体を温める「温熱効果」がアトピーに効果があると説明している方が多いです。
ちなみに、免疫力を下げると痒みを抑える事ができます。
「免疫力を増強すると痒みが強くなるのでは?」と心配される方もいらっしゃると思います。
確かにその通りで、入浴をすると痒くなるのは、免疫力が上がるからです。
しかし、免疫力を上げることは本当に大切です。
2020年からは新型コロナウィルスが流行りましたが、温泉湯治をされている方は、免疫力が上がっているため、感染していない方が多いのではないかと思います。
もちろん、温泉湯治の代わりに、アトピーの原因療法をしても、免疫力が上がります。
私はアトピーの原因療法をしていましたので、感染することはありませんでした。
また、アトピーの症状が悪化すると、とびひなどの感染症にかかりやすくなりますが、免疫力がアップすることで、感染症にかかりにくくなります。
アトピーの完治を目指す場合は、免疫力を下げて痒みを抑えるよりも、免疫力を上げて感染症にかかりにくくなり、皮膚の修復が早くできる身体作りを行う方が大切です。
「温泉湯治」でアトピーが改善する本当の理由
温泉に何度か行ったことがある方なら経験があると思いますが、いつも温泉に入っていない方が、旅行などで温泉につかると「湯あたり」が起きます。
「湯あたり」には、身体がだるくなったり、倦怠感が起きたり、頭痛、腹痛、下痢、寒気、吐き気、食欲不振など、いろいろな症状があります。
それではなぜ、水道水のお風呂に浸かっても湯あたりはしないのに、温泉に浸かると湯あたりの症状がでてくるのでしょうか?
それは「温泉に含まれている成分」の効能によるものです。
皮膚から温泉に含まれている成分が血液中に入ってくると、内臓はその温泉の成分に対応するために、活発に働くようになります。
温泉に浸かると身体が冷えにくくなるのは、内臓が活発に働くため、体温が上がるからです。
内臓の活動が沈静化するまで温熱効果が続くので、なかなか身体が冷めないのです。
ただ、温泉の成分に対応するために、内臓は活発に働きますので、疲れてしまいます。
つまり、内臓が疲労してしまうのです。
その結果、身体がだるくなったりするなどの「湯あたり」の症状がでてくるのです。
しかし、「湯あたり」はいつまでも続く訳ではありません。
2~3日でなくなる場合がほとんどです。
また、温泉湯治を始めると、毎日温泉に入りますが、それでも、一週間程度で湯あたりがでなくなります。
それはなぜでしょう?
その理由の1つは、内臓が強くなるからです。
温泉に入ることは、温泉の成分が内臓に大きな負荷をかける事になります。
しかし、毎日温泉に入っていると、温泉の成分という負荷に耐えられるように、内臓が強くなるのです。
これは筋トレと同じです。
筋トレをすると、最初は筋肉痛が起きます。
しかし、いつまでも筋肉痛が続く訳ではありません。
通常は2~3日、長くても一週間程度で筋肉痛は消えます。
それは、筋肉が負荷に耐えられるほど、強くなったからです。
温泉湯治をすることは、内臓の「筋トレ」をしているのと同じです。
そのため、温泉湯治をすると、弱っていた内臓が強くなります。
腎臓や肝臓が強くなれば、血液が綺麗になりますし、皮膚を作るために必要なホルモンもたくさん分泌できるようになります。
消化器官にも負荷がかかりますので、食欲不振などの湯あたりが起きる場合もありますが、それを乗り越えると、消化器官が強くなりますので、食べられるものが増えてきます。
温泉湯治で皮膚が良くなる本当の理由は、温熱効果ではなく、温泉の成分が内臓に負荷をかけた結果、内臓が強くなったからなのです。
筋トレをすると、誰でも筋肉が強くなるように、温泉湯治をすると、誰でも内臓が強くなります。
そのため、ステロイド剤を使わなくても、例外なく誰でも、アトピーの症状が改善するのです。
ただし、「湯あたり」をするほど、温泉湯治は身体に負荷がかかりますので、自己流で行うと、アトピーの症状がなかなか改善しない場合もあります。
確実にアトピーの症状を改善したい方は、専門家の方のアドバイスを受けながら行った方が無難です。
まとめ
温泉湯治がアトピー性皮膚炎に効果がある理由は、一般的に考えられている温熱効果ではありません。
温泉の成分が内臓に大きな負荷をかけた結果、内臓が強くなったからです。
一般的には、身体に負荷をかけることは、アトピーに良くないと言われています。
確かにその通りで、負荷をかけるとアトピーの症状が悪化します。
温泉湯治でも、内臓に負荷をかけますので、最初は湯あたりが起きるほど、内臓が疲れてしまい、内蔵の機能が低下してしまいます。
その結果、痒みが強くなったり、皮膚が悪化することが多いです。
しかし、温泉湯治を始めると、内臓は温泉の成分による負荷に耐えられるように、少しずつ強くなっていきます。
そして、消化器官が強くなれば、何でも食べられるようになりますし、腎臓や肝臓が強くなれば、血液が綺麗になっていき、皮膚を作るために必要なホルモンもたくさん分泌されるようになります。
アトピー性皮膚炎の症状が悪化すればするほど、内臓は弱っていきます。
温泉湯治は、その内臓を強化することで、アトピーの症状を改善していく療法になりますので、原因療法に近い療法とも言えます。
しかし、内臓が弱ってしまう原因(アトピー性皮膚炎の根本的な原因)まで解決できる訳ではありません。
私の場合は、8割までしかアトピーの症状を改善することができませんでした。
温泉湯治は対症療法になりますので、アトピー性皮膚炎の原因まで取り除くことはできないのです。
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